まるぶろぐ

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オテロ

お菓子を作り終え、さて、とパソコンの前に落ち着いて、トラブルが解決してようやく視聴できるようになったウィーン国立歌劇場の「オテロ」を鑑賞。

METのライブビューイングでも2つのシーズンで上映された作品で、その2回めのほうでタイトルロールのオテロを演じていたアレクサンドルス・アントネンコが今回のウィーン国立歌劇場の公演でも同じ役。オテロは肌の黒いムーア人という設定で、METでの上演の際にはその設定どおりに肌を黒くしていたのだけれど、今回は白い肌のまま。「肌が黒いから…」という台詞もあるのに、これも演出の一環なのかしらん。

正直、アントネンコの硬質な声はちょっと苦手なんだけど、猜疑心の強いこの役には合っているのかも。

敵役がいいと主役が映えるのは歌舞伎もオペラも同じで、イアーゴ役のヴラジスラフ・スリムスキーが素晴らしかった。オルガ・ベスメルトナのデズデモーナは、どちらかというと控えめな演技で、それがかえって悲劇的なこの役に合っていて魅力的。

照明の関係なのか、ウィーン国立歌劇場の舞台はいつも全体的に暗い印象なんだけど、今作は特に黒の印象が強く、その中でオテロとデズデモーナが後半、二人とも真っ白な衣装なのが効果的。チョン・ミュンフンの指揮で、冒頭の合唱も素晴らしかった。

無事に観ることができて良かったわー。