まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992016-12-26

今月の歌舞伎座は三部制で、2日に分けると非効率的なので通しで観ることにした。優先発売の日をすっかり忘れて2日も出遅れてしまったので、1部から3部まですべて2列め。

まず腹ごしらえ、と北千住駅構内のスタバに寄ったら、近くのスタバではいつも売り切れのプリン(チョコレートのほう)がひとつだけあって、初めて注文。なるほど、珈琲にとてもよく合い、なめらかで美味しい♪

第1部はほぼ中央の席で、きむらゆういち作の絵本を舞台化した「あらしのよるに」。オオカミの「がぶ」を獅童、ヤギの「めい」を松也、その他のオオカミ族を中車、猿弥、権十郎、萬次郎ほか、ヤギ族を梅枝、萬太郎、橘太郎ほか。客席には子供の姿も多く、子供向けの作品と思いの外、弱肉強食の世界での食うものと食われるものとの宿命を軸に、大人でも十分に楽しめる作品に仕上がっていた。オオカミとヤギとが嵐を避けて逃げ込んだ小屋で初めて出会う場面で、ともに鼻風邪を引いて相手の匂いが分からなかった、というのはちょっと都合が良すぎるような気もしないけれども、まぁ、そこは芝居だから。がぶに獅童は適役だなぁ。萬次郎のおばばも他の人ではあの味わいは出ない。写真は、木挽町広場の「がぶ」と「めい」

第2部は中央の列の右端で、まず宇野信夫作の「吹雪峠」を七之助と松也、中車の3人で。この作品を初めて観たのは、調べてみたらもう25年も前で、自分を裏切って逃避行をした2人が命惜しさに自分だけ助かろうと諍いをする姿を見て、ひとり去っていく直吉を演じた八十助(当時)の最後の台詞がとても印象に残っているのだけれど、今回はその同じ台詞が心に響かなかったのよねぇ。単に好き嫌いのせいかもしれないんだけども。

続く「寺子屋」では、勘九郎が初役の松王を、その妻千代を七之助が演じ、源蔵を松也、その妻戸浪を梅枝という若い配役で。勘九郎も父親になり、こういう役が合うようになってきたのねぇ、と感慨深いものがある。松也はまだ源蔵には若すぎるかなぁ。頑張ればできるという役じゃないからねぇ。園生の前として新悟が出た時「萬屋!」と声がかかった。萬屋の梅枝はたしかに舞台にいたけれど、新悟は大和屋なのになぁ。

第3部では中央の列をはずれて右寄りの席。踊り2本なので花道に近い席が良かったんだけど、仕方がない。まず「二人椀久」を勘九郎玉三郎で。かつての雀右衛門富十郎のような鉄板のコンビはこんご現れるのだろうか。そして年内最後の幕は、玉三郎七之助勘九郎、梅枝、児太郎と花子が5人も出てくる道成寺。以前、梅幸菊五郎、丑之助時代の菊之助の3人の道成寺は観たことがあるけれど、さらに華やか。児太郎は国立劇場との掛け持ちだったのね。若手4人はそれぞれ今後ひとりで道成寺を踊る可能性のある人たち。こうして継承されていくのねぇ…。

帰りもスタバに寄り、手帳にあれこれ書き込みをしたりして、11時半すぎに帰宅。ひと息ついてから、録画しておいたスマスマの最終回を見る。ネットで話題になっていたソフトバンクのCM以外は全部すっ飛ばして見たら、1時間近く短縮されたみたい。大ファンというわけではないものの、スマスマは好きでよく見ていたから、やっぱり寂しいなぁ。最後でなにもあんなに長い時間、頭を下げることないのに…と切なかった。

録画だから途中でやめてもよかったのに、つい最後まで見ちゃった (^^ゞ