まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992014-12-26

歌舞伎座千穐楽の夜の部。昨日、東銀座駅に大きく掲示が出ていた「石川五右衛門」を観る気になっていたんだけども、それは新春の演舞場。海老蔵がメインなのは同じで、今月の演目は「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」。毎月ルーティンでチケット取ってるから、演目がインプットされていないのねん。

2008年の演舞場以来、今回で5回目。いずれも海老蔵がメインで、意外にも歌舞伎座での上演は初めて。歌舞伎十八番のうち「毛抜」「鳴神」「不動」の三作を盛り込み、全体を帝位継承をめぐる争いという大筋でまとめた作品で、海老蔵は、帝位を狙う早雲王子、陰陽師の安倍清行と、「毛抜」の粂寺弾正、鳴神上人不動明王の5役を演じる。

「毛抜」はお姫様を髪が逆立つ奇病に見せかけるため、鉄の櫛笄を銀と偽って差させ、天井裏から磁石を使うという荒唐無稽な趣向で、たとえ櫛が磁石に引きつけられたとしても髪が逆立つはずはないし、しかも企みが露見して捕まった賊が手にしているのは方位磁石という大きな矛盾がありながら、「そこは芝居だから」でスルーして、長年繰り返し上演されてきたのだけれど、今回は方位磁石が大きな棒磁石に変わり、矛盾点がひとつ解消されていた。

もうひとつ「鳴神」で雨を降らせない行が破られ、竜神が天に登っていく、その竜神がこれまでは細くて小さくて「しょぼかった」のが大転換。ド派手になって、登っていく姿に勢いがあった。この工夫、すごくいいと思う。

清行のキャラが独特で、それに影響されたのか、獅童の万兵衛も市蔵の玄蕃も少々マンガチックにすぎる気がしないでもなかったけど、全体に明快で、なにより楽しかった。それにしても、海老蔵という人は、単に華があるという次元ではなく、圧倒的なパワーで瞬間的にその場を制してしまう。なんかこう、ひとり突き抜けているのよねぇ。

急いで帰宅。すぐに仕事にとりかかり、残り半分の和訳を終わらせ、全体の見直しと修正も済ませて送信。すでに日付が変わって午前2時過ぎだったけど、納期は1月9日と言われていたから、上出来上出来♪ これが年内最後の案件になるはずだったのに、短い急ぎが飛び込んで来ちゃったから、さっさと片付けないと〜。