まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992010-11-15

あいにく小雨がしとしと降る中を先週に続いて東劇へ。まずは窓口で 「シネマ落語」のチケットを買う。だってね、桂文楽明烏」、古今亭志ん朝「抜け雀」、金原亭馬生「親子酒」に三遊亭圓生「掛取万歳」というなんだかものすごいラインアップなんだもの。国立劇場小劇場で開催されたTBS「落語研究会」での貴重な名演が4席も並んで前売り1800円。約2週間の上映期間中、日時も席も指定できない自由席だけど、ちょっと面白そうでしょう?

そのあとMETライブビューイングの割引鑑賞券。1回3500円のところ3回分で9000円とお得なんだけど、うまくできていて、割引鑑賞券を購入した当日の入場券には引き換えできず、事前に購入しておかないといけない仕組み。ちょっとズルイよね。

買ったばかりの割引鑑賞券の1枚を次の公演のチケットと引き換え、今夜の上映開始は5時半で、まだちょっと余裕があるのでスタバでひと休み。

上映開始の15分ぐらい以前に東劇に戻ると、窓口に10人近く並んでいた。でもその割に客席はそれほど混んではいなかったなぁ。

今シーズン2作目の「ボリス・ゴドゥノフ」。タイトルロールのこの声、この顔は、まさしく「魔笛」のザラストロ様! 苦悩の末に失意のまま急死してしまうのだけれど、その苦悩の表情が凄まじく、まさに胸をかきむしられるようで、それでいてセクシー。

ロシアの歴史に疎いこともあり、予備知識ゼロで臨んだところ、続けて上映された第1幕・第2幕は展開がよく分からなくて、今シーズン全作共通のパンフレットも手元になかったので、休憩中に携帯電話でググってあらすじをカンニング。そかそか、そういうことだったのか、とようやく納得して第3幕。

200人もの合唱隊がぶつけてくる民衆のエネルギーがものすごく、また残酷でもあり、「白痴」と蔑まれる聖愚者の静かなアリアで印象的な幕切れ。帰宅後に当時のロシアの歴史を調べてみたら、作品で描かれている以上に陰惨だった。ボリスの死後、その後継者を名乗る偽物が3人も立て続けに現れ、作品の幕切れに勝利を手にしたかのように堂々と振舞っていた1人目は、史実では殺されたあと、遺灰が大砲につめられ、民衆の反感を買った彼の妻の故国ポーランドに向けてぶちまけられたそうな。そこまでするか!

インタビューその他の特典映像も含めて合計4時間12分にも及ぶ大作ながら、まったく退屈しないどころか圧倒されっぱなし。次の作品も楽しみだわ〜!