まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992009-11-18

家を出るギリギリの時間まで「はなまるカフェ」を見る。ゲストが糸井さんだったので。なんかもう身の回りにほぼ日グッズがたくさんあるし、毎日コンテンツをのぞいてもいるから、親近感ありすぎて他人事じゃないみたい。

東銀座に着いて、歌舞伎座へ向かう人の流れに背を向け、新橋演舞場へ。今年は演舞場の歌舞伎を時々サボったのでまだ3回め。今月の『盟三五大切』という芝居がどうも気になるものだから、昼の部だけチケットを取った。染五郎の源五兵衛に亀治郎の小万、菊之助の三五郎に愛之助の八右衛門、虎蔵は松也で菊野は梅枝と若手ぞろいの花形歌舞伎。

みんな一生懸命だし、姿も声もいいし、不満なところは何もない。でもなんだか落ち着かない。なんかこう、見ていてザワザワする感じ。舞台がざわついているわけではなく、自分の胸のうちが。昭和の終わりに同じ芝居を辰之助・孝夫・玉三郎の顔ぶれで演じた際の3人の平均年齢は29歳で、今回の染五郎菊之助亀治郎の平均年齢は34歳だそうで、昭和の舞台もそうだったのかどうかは定かでないものの、役の実年齢に近いせいかリアルで生々しすぎるのがザワザワの理由のように思えた。普段、60代、70代の役者が若者や娘を演じる「芝居の嘘」に慣れているせいかもしれない。

菊之助の三五郎は、かわいらしい娘役の時とは別人のような男臭さもあり、良かった。写真は構図のいいのがあんまりなくて、小万を殺した後、傘を差して暗い表情の源五兵衛のアップを1枚だけ。

幕間をはさんで、松緑愛之助が4通りの変化舞踊を披露。その最後が「石橋」で、2頭の若獅子さながらに勇壮な毛振りを見せる。数日前にネットで「振ればいいってもんじゃないだろう」みたいな感想を目にしていたところ、実際に見てみて、そういうことかぁ、と納得がいった。数えはしなかったものの、とにかく長い間ぶんぶん回して客席は大いにわいていたのだけれど、舞踊の所作ではなく、体操競技か何かを見せられているみたい。あれだけ振ってよくまぁ目が回らないものだ、と感心はしたんだけどね。それこそ氷の上でどれだけ回ってもピタリと止まってふらりともしないフィギュアスケートの選手を思い浮かべたぐらいに。

終演後、なぜかムーミングッズや北欧雑貨を置いている薬局に寄り、写真の人形に魅せられてしまった。トーベ・ヤンソンが幼い頃から手元にあって、ムーミンのもとになったと言われる人形なんだって。シッポでうまくバランスを取っていて、端っこに置いて揺らしても落ちない。「こんな珍しい本も入ってきたんですよ」とお店の人が出してきたのは、スウェーデン語で書かれたムーミン仕掛け絵本! こんなの見たことない! スウェーデン語を勉強中の身として買わない手はないでしょう。結果的に思わぬ散財をしてしまい、「おまけと言ってはなんですが」と差し出してくれたのが薬局だけにリポビタンD。つい片手を腰にやりそうになりながら、その場で一気飲み。

その後、I さんが去年訪れてとても良かったという草木染めの展示を見に、銀座の幸伸ギャラリーへ。笑顔のステキなおばさまで、たまたま訪問者がとぎれたところで私ひとりだったので、ゆっくりお話を伺いながら、珈琲と栗の渋皮煮までご馳走になってしまった。どれも華やかであたたかい作品ばかりで、カレンダーと一筆箋にハガキを数枚と、指先だけの絞り染がユニークな手袋を購入。紫色のを選んで包んでもらった後、栗を食べながら色違いの茶色も気になってしまい、あとで後悔しそうなので追加してもらった。

夜はじっくり男子バレー。いやぁ、まさかヨーロッパ王者のポーランドを撃破するとは! これまで女子バレーばかりが盛り上がりがちだったけれど、今年の男子バレーは面白そう。期待大。