まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

グツグツ

maru992008-10-03

生協の宅配が届いたのが分かったけれど、起きずに居留守を使ってしまい、再びZZZ…。また昼すぎまで寝てしまった。さてどうしようかな。油絵の教室でお世話になっている鄭先生の個展にお邪魔しようか、明日に延ばして先に手織の宿題を済ませてしまうか。どうしようかなぁ、と決めかねてあれこれ雑用を片付けているうちに、あっという間に夕方。よし、行ってこよう。


人形町の駅からすぐで、方向音痴の私でも迷いようのない距離。ガラス張りの向こうに先生の大きな絵がどど〜んとあって、すぐに分かった。画廊というわけではなく、リフォーム会社が若いアーティストの育成を目的としてスペースを無償で提供してくれているそうで、会場費がかからないのは大きなメリットだけど、先生の絵はどれも150号とか大きな作品ばかりだから搬入・搬出費用も相当かかる上、先生本人が会場に常駐していなければならず、片道1時間半ぐらいかかるのに、会場での制作活動は禁止されているため、拘束時間が長くて制作ができない上に会場で時間をつぶすのがとても苦痛らしい。しかも8時の閉館後はバイトに直行して、朝6時まで働いて、1時間程度の仮眠ですぐに会場に向かわなければならないというハードスケジュール。身体をこわさないといいけど。


今回の個展は急に決まったので、6枚の絵のうち4枚はすでにこれまでの作品展で拝見したことがあるものだった。残りの2枚も、1枚は別の作品2枚と同じモチーフで、もう1枚は小さな写真だけ見せて頂いたことがある。「だからわざわざ来て頂くのは申し訳ないから、あえてご連絡しなかったんですよ」 と先生。そうそう、先生ご本人からは連絡がなく、I さんが教えて下さったのだった。もう、先生ったら気を遣いすぎ。もう見たからいいや、と足を運ばない人もいるかもしれないけれど、とにかく連絡だけは下さればいいのに。実際、写真でしか見たことのなかった1枚の迫力といったらもう圧巻で、この1枚のためだけに来る価値は十分にある。犬の絵なんだけど、よくあるかわいらしい犬のポーズを描いたものではなく、痩せてゴツゴツと骨ばった犬がニワトリの首を噛みちぎっている凄惨な場面で、好き嫌いがハッキリ分かれる作品ではあるものの、犬の生命力というか、生への執着というか、そういう強さを感じさせる力がある。何がすごいって、実際にこういう場面の写真などが資料としてあったわけではなく、ただイメージだけで描いたとのこと。犬の骨格をしっかり把握していればどんな場面でも描けると先生は言うんだけど、私にはとてもとても。


先生にエールを送って分かれた後、すでに夕飯時だったので、北千住で途中下車して、コラーゲン入りの純豆腐 (スンドゥブ) チゲセットに初挑戦。グツグツ煮えたチゲ鍋の中に、ぷるんぷるんのコラーゲンと生卵を投入。アツアツをフーフーしながらハフハフ食べる。う〜ん、これは美味しい! これからの寒い時期にピッタリだわ〜!


さて、帰宅後は手織の宿題。どうも今までは、左右の端で横糸の幅をそろえることばかりに気を取られて、各段の縦糸をギュッギュッと詰めすぎてしまっていたらしい。たまたま途中からざっくりとゆるく織ってみたら、その方が模様がクッキリ浮き出て格段に美しい。う〜む、ここまで織ってきてこの段階で気づいてしまうとは。またすべてほどく気にはなれないので、試しに織り上げた部分の糸をちょっとずつ指でずらしてみる。これが意外に有効で、丁寧にずらしていけば大丈夫みたい。裏技というか禁じ手というか、本来やってはいけないことだろうとは思うのだけれど、降り方の手順自体は間違っていないわけだから、成り立ちが分かった上で作品を良くするために手を加えるのはアリかと…。すでに何十センチも織ったものを均等に縦に延ばしていくのは容易ではない。模様の一部が広がりすぎてしまったり、糸の密度が均等にならなかったり。それでも時間をかけてゆっくり丁寧に延ばしていくと、まるで最初からそういうふうに織ったみたいな仕上がりになる。不思議だなぁ。糸をつむいで布にするという作業の柔軟性に、なんかもう、驚きというよりは感動に近いものを覚える。


最後の糸始末まで終わらせて、ようやく完成! 4枚綜絖の操作にまだ慣れていないこともあって、今回はいつも以上に織ってはほどきを繰り返してしまったから、どうなることかと思ったけど、終わってよかったぁ。… って、もう7時すぎてるし!