まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

藍染ダブル

maru992007-12-16

せっかく早めにベッドに入ったというのに、コンコンと咳が出て眠れない。あうう。ちゃんと風邪薬のんでるのになぁ。結局2時すぎまで咳に悩まされていた。


8時にセットしたアラームが鳴るちょっと前に起きて、8時半には着付けを開始。和装用の下着の代わりにハラマキをチューブトップのように巻きつけた姿はかなり笑える。でもこの際ほかに仕方がないのでそのまま着付けを続行。藍染の着物に藍染の帯というのはベタだろうか。歌舞伎座だけならもっとカジュアルにするのだけれど、今日はそのあとにパーティーがあるから、ちょっぴりフォーマルに。藍染だから半衿は白。ほんのちょっとのぞく程度にキリリと。比較的スムーズに着付けを終えて、首回りが寒くないようにストールを羽織って出かける。風が冷たいわ〜、と肩をすくめた途端にハタと気がついた。前回着物を着たのはまだこれほど寒くない時期で、ハラマキ以外はその時と同じ手順で着てしまったのだが、もうすっかり寒いんだから中にシャツを着ればよかった〜っ! でも洋服と違ってすぐに着替えるわけにいかないから、仕方なくそのままゴー。


歌舞伎座では玉さん贔屓の知人と並んで座り、幕間のオシャベリを楽しむ。同じ舞台を並んで観ていても、感想がまったく違うのが面白い。福助も風邪を引いているのか、のどの調子が悪くてつらそう。隣りのオバサン2人がやたらとうるさいので参った。幕間には席でただ話しているくせに、なぜか幕が開いてからガサガサと音を立ててサンドイッチだのオニギリだのを食べ始める。時代物はお気に召さなかったのか、バッグの中から次々にガサガサとチラシを出しては広げ、ごていねいにまた音を立ててバッグにしまいこむ。最後の芝居に至っては、そろそろ大詰めというところで帰り支度を始め、これがまたうるさい。カンベンしてよ〜。


終演後にお茶でも、と店を探したのだが、どこも満席。5〜6件回っても全滅で、完全にカフェ難民状態。流れ流れてプランタン近くの東京羊羹にようやく落ち着く。寒い寒い、と言いながら店に入って、あったかいお汁粉とぜんざいをそれぞれ注文したのに、私の前に置かれたのは冷たいぜんざい。なんでよ〜。妥協するには寒すぎた。「あたたかい方を注文したんですが」 と運んできた女性に告げると、注文を受けた年配のウェイターが飛んできて 「あたたかい方でしたか?」 って、単なる聞き違いかのような言い方。私は写真を指差して注文したのにどうして間違えるわけ? なんとなく女性の態度からして、そのウェイターはいつも同じようなミスをしているっぽかった。向き不向きってあるのよねぇ。ぜんざいは、私にはちょっと甘すぎ。


しばらくオシャベリしてから知人と別れ、丸の内線で御茶ノ水へ。駅前で薬害訴訟の原告団が署名活動をしていて、国の対応はひどいと思っていたので珍しく積極的に署名をする。駅から徒歩4分で山の上ホテルに到着。寒いのに外で待機していたホテルマンがすぐに飛んできて案内してくれる。すっごく丁寧でいい感じ。


あたたかいロビーに入ると、すぐ目の前に I さんがいらした。こんばんは〜。今日のパーティーは、リニューアル前の月刊誌 「演劇界」 の編集長として永く尽力してこられた秋山さんの慰労会で、そうそうたる顔ぶれが発起人に名を連ねている。執筆者とはいっても末席からもこぼれ落ちそうなぐらいの私までご招待頂いたのはとても光栄ながら、ひとりではとても出席する勇気のないところ、I さんとご一緒なので安心。メールのやりとりをしていた編集部の担当さん以外には他に話す相手もなく … と思ったら、カメラマンを務めているのは奥村書店の小林さんじゃないか。お久しぶり〜。奥村書店もすでに閉店し、今は独立して店を構えているのだという。知らなかった〜。


山川静夫さんや橋本治さん、横綱審議会のあとに駆けつけたという澤村田之助さんのほか、劇評家、劇場関係者、歌舞伎史の専門家、歌舞伎関係の書籍の執筆者などなど、一方的に存じ上げているだけのお歴々がずらり。それぞれのスピーチから、演劇界に対して、歌舞伎に対して、そして秋山さんに対しての熱い想いが伝わってきて、とてもハートフルな会になった。ご招待を頂いたことにあらためて感謝。


あっという間に2時間がすぎておひらきの後、I さんとホテル内のカフェへ。頂いたお土産を開いてみると、秋山さんは沼津にお住まいということで、沼津銘菓の 「平作」 という和菓子。歌舞伎に詳しい方にはこれだけでお分かり頂けるはずなのだが、通称 「沼津」 という芝居の登場人物の名前が 「平作」 で、その平作が芝居の中でかぶっている蓑傘をかたどった最中。さすがだわ〜。


さてそろそろ、と9時すぎに席を立ち、外へ出ると北風がピュ〜ッ! さらに風が強くなり、気温も下がっている模様。私が風邪気味なのに薄着なのを心配して、I さんがコートを貸して下さると仰る。こんな豪華なコートをお借りするなんてバチが当たります! と辞退したものの、「袖がゆったりしているから和服でも大丈夫なはずだから、とにかく一度着てみて」 と言われて袖を通してみると、あら本当、まるで和装のコートみたい。「ね、このまま着ていって。私は車だから」 と I さん。うわ〜ん、ありがとうございます〜。I さんのお気持ちと豪華なコートに包まれて、幸せな帰り道♪


それにしてもこのコートのあたたかさといったら! 今まで冬の着物って、中にシャツを1枚、外には羽織とショールを使うぐらいで、ブルブルふるえるほど寒くはないし、少なからずスースーするのは着物なら仕方ないのだと思っていた。でも 「寒くない」 のと 「あったかい」 のはまったく違うのよねぇ。


コートのおかげで家に着くまで寒さはまったく感じなかったものの、それでもやっぱり風邪は進行しているらしく、着替えを済ませて仕事を始める頃にはまた咳が出始めた。でも少しでも進めておかないと締め切りに間に合わない。鼻もグスグスだからティッシュが手放せず、いまいち集中できない状態のまま、なんとか3時すぎまで。それでもまだまだ終わらない〜。かなりやばい〜。がんばれ私〜!