まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

白大島の柄

maru992006-02-19

今日は歌舞伎座に3人の方をご案内する大切な日だというのに、気負いすぎたのか夕べなかなか寝付けなかったので、客席で居眠りなんかしちゃったら大変、と8時に鳴った目覚ましを止め、二度寝をして備える。着付も早めにスタートしよう、と準備を始めた途端にメールの着信。音で仕事のメールと分かる。あうう。日曜日なのにぃ。火曜日の午前中までにだとぉ? でも8ページじゃ仕方ないかぁ、と思いつつ念のためファイルを開いてみると、17ページもあるじゃん! スペースだらけのページをぬかしても実質12ページぐらい。どこが8ページやねん。今日はこれから夜まで歌舞伎座だし、火曜日は歌舞伎座の昼の部だから、月曜日しか作業できない。でもついこの間やった案件の続きとなると断りにくい上に、休日に無理なお願いで申し訳ない、とへりくだられてしまうとなおさら…。ああ、もう! どうにかするっきゃない! とはいえ、8ページなんて大ウソだってことだけは指摘しておいた。もちろん、ウソだとハッキリとは書かずに何重にもオブラートにくるんで…。


白大島に藍染の道行きで出かける。今日は幸い風もなくあたたかい。歌舞伎座に着いて、まずは豆大福を買う。今日は4つね。「あら、お持ち帰り?」 ううん、今日は4人で観るから。「じぁあ箱じゃなく紙袋でいいよね」 はい〜。「いつもありがとね!」 と、すっかり面が割れている。真っ先に買っておかないとなくなっちゃうことが多いんだけど、意外にも日曜日はめったに売切れにならないらしい。日曜日のお客さんには存在が知られていないのかしらん。豆餅も豆大福もすっごく美味しいのになぁ。


3列目のほぼ真ん中に4つ並んで取った席にいちばんのりで、次にやってきたのは事務所の後輩のN君。着物姿に驚いている様子なので、「別人みたいでしょ?」 と言ったら、思い切り頷く。素直だなぁ。ほどなくSさんYさんもご到着で、いよいよ開演。今月の演目はイマイチこれぞ歌舞伎というのがないので、果たして楽しんで頂けるかどうかすっごく不安だったのだけれど、まず最初の演目は武士の世界を描いたもので、「思ったよりずっと台詞が聞き取りやすい」 と嬉しい驚きの声。「生の発声で、これだけ近い距離だから分かりやすいのかもしれないね。英語と同じで」 と、英語のプロならではの分析。2つめは玉三郎菊之助の踊りで、舞台から役者が客席にまくご祝儀の手拭いを誰も取れなかったのは残念だったけど、「すごい迫力!」 と文句なく楽しんで頂けたようで、ほっとひと安心。「目が合ったよ」 「私も!」 「きっとみんなそう思うのよ」 なんていうやりとりも嬉しい限り。最後の3つめは世話物で、最初のとはまったく違う味わいなので、歌舞伎のバリエーションの豊かさは伝わったかな。「またぜひ観たい!」 と言って頂けたので、とりあえず今回の企画は大成功! ホッとした〜。


終演がいつもより若干早めの8時半すぎだったので、メルサの近くまでそぞろ歩きをして、壹眞珈琲店でケーキセットを食べながら、翻訳談義に花が咲く。それぞれに専門の分野が違うので話題も多岐に渡って面白い。でも銀座って店じまいが早いから、閉店を告げられてしまっておひらき。


11時半すぎに帰宅して、まずは着物を脱いで身軽になって、ひと息ついてすぐ今朝来てしまった仕事を始める。ああ、芝居の余韻が吹き飛んでいく〜。一段落する頃には外はすっかり明るくなって、7時をすぎてしまった。でも前倒しでやっておかないと、明日もし夜なべするハメになると火曜日の歌舞伎座で居眠りしちゃいそうだから … って、な〜んか本末転倒な気もしないでもない。さ〜て、少し寝ようっと。すぐに寝付けるといいなぁ。