まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

580万円!

maru992007-12-07

結局よく眠れないまま8時のアラームで無理やり起きる。今日の歌舞伎座は着物のお店の招待で、着物フェスタとのセットになっていて、当初は10時半の集合で着物で行く予定だったのに、予想以上の盛況で騒がしくなりそうだから早めに、と集合が1時間繰り上がったので着物はパス。普通の格好で行ったら、「てっきり作務衣かと思った」 って、最初に待ち合わせした担当さんだけじゃなく、その後に会ったスタッフさんたちも口々にそう言う。冬の作務衣は中にセーターを着込むことになるから、買い物ぐらいならいいけど、上着を脱ぐ必要がある場所には不適当なのよ〜。


フェスタではいつも以上にたくさん試着させてもらった。最初がろうけつ染めで、このコーナーはカラフルな反物もさることながら、作家の先生が超個性的。赤と黒の組合せしか着ないそうで、「かぶき者」 を自称していらっしゃる。専門は着物だけどイラストも描くそうで、その場で描いた弁天小僧の色紙を頂いた。先生自身が変り種〜。


次は 「おる・あむ・くむ」 がモットーの工房で、たとえば帯にしても、織り地がとても凝っている上に、お太鼓の部分に組み紐を複雑に編みこんである。ここで試着させてもらったのは、横向きの矢絣が細かく織り込まれている珍しいもので、華やかでフォーマル。とってもステキだけれど、もし買ったとしても、フォーマルなだけに出番が限られてしまいそう。


その次は最初から 「話のタネに」 と試着させてもらったもので、恐れ多くも美智子様がお育てになっているお蚕 「小石丸」 を預かり受け、皇室への納品に間違いがないよう、同時進行で同じものを2つ作り、1つを納めた後の片割れ。宮内庁の許可を受けて販売しているというそのお値段は580万円! 仕立て代も入れたらいくらになるんだか。もし買う人がいたら、その人の名前が宮内庁だか文化庁だかに登録されるんだそうな。試着用に仕立てただけで裏地はついていないとはいえ、わずか360gという驚きの軽さ。美しい藍染の可愛らしい花織り。皇室では納品された同じ着物をどなたかがお召しになるのではなく、小石丸から作ったものとして標本的に保存されるのだそうな。ああ、もったいない! せっかくの着物を単なる標本にしてしまうなんて!


続いて同じ工房の藍染をもう1枚。縦のよろけ縞は珍しくて、高度な技術が要求されるから織り手がなく、もう何年もしないうちに消えてしまう貴重なものだと工房の人は力説していたのだけれど、手織り教室の先輩がよろけ縞の名手なのよね〜。身近なところに織り手がいるものだから、工房の人の力説もイマイチ説得力がなかった。


何着も試着してもういいかげん疲れていたのだけれど、最後にどうしてもコレだけは、と懇願されてしまい、断りきれない私の弱さ。ほとんど黒地のモノクロのお召しで、帯もモノクロの直線柄でシャープなコーディネート。一見チョイ悪風な作家さんがこれまた個性的。「とっても斬新!」 って言われたけど、ほとんどモノクロしか着ない時期があったから、せっかく洋服にはないコーディネートを楽しめる着物でいまさらモノクロに戻る気はしない。


これだけたくさん試着したので、すでに午後3時半。豪華なお弁当で遅い昼食を急いで済ませ、ケーキバイキングも用意されていたけれど、時間的にもお腹の具合からしてもそんな余裕はなく、バタバタと歌舞伎座に移動する。


玉三郎がひいきの担当さんと一緒に観るはずだったのに、フェスタの来客数が予定を上回ったために彼女の枠がなくなってしまったらしく、歌舞伎座の前で別れ別れ。花道の外とはいえ花道のすぐ隣りの席で、座ったまま花道を見通すことができる。この角度から見る舞台はなかなか新鮮。招待だから地下食堂での食事付。でも昼食が遅かったからほとんど入らない〜。


11時近くに帰宅し、ひと息つく頃には日付が変わってしまい、それからケーキを焼き始める。ホワイトチョコ風味のミルキーシフォンケーキ。ところが、冷凍してあった卵白がきちんと解凍しきれていなかったのか、メレンゲがイマイチしっかりしなかった結果、うまくふくらんでくれなかった。大失敗。しかしもう時間が…。それに作り直そうにも、もうホワイトチョコがない〜。明日買出しからやり直すしかないか〜。


ガックリしたままベッドに入った時点ですでに3時すぎ〜。