できれば家を出る前にちょっとでも訳文の見直しを … と思っていたけどそんな余裕はなく、慌しく身支度をして永福町に向かう。キャンバスの入った重たいバッグもボックスケーキを入れた小さいバッグも網棚の上に載せ （私の場合、１個だけのせると忘れて降りちゃう危険性がとっても高いので、のせるなら全部のせる。これ鉄則！） 身軽になって、車内で訳文の見直し。まずは終点の代々木上原まで乗るので乗り過ごす心配もない。下北沢経由で順調に到着。駅からはＷさんに携帯でナビをして頂く。Ｗさんの絵やたくさんの草花やかわいらしいたくさんの小物で飾られたＷさんのお宅はとっても素敵。
駅からＷさんのお宅までのほんの１０分ほどの間にも汗をかいてしまいそうなぐらいに暑い暑い。日差しが強くて、Ｔシャツの上に羽織ったボレロをぬぎたいほどだったのに、フリースを着ている人もいたりしてビックリ。心地よい風が吹き抜けていく和室で、冷たい麦茶を頂く。そういえば麦茶は今年初めて。Ｗさんのお宅では１年中欠かさないそうだ。
美しいお部屋を汚さないようにクロスを敷きこんだ上にイーゼルを並べ、描き始める。ほどなく I さんもご到着。退院後お会いするのは初めてで、食欲が戻らないときいていたから心配していたのだけれど、特にやつれたご様子もなく、もうすっかり痛みもないとのこと。よかったよかった。でも１０日足らずの入院だったのに、病院食の影響なのか、それとも手術をしたのが消化器官だったせいか、味覚がすっかり変わってしまい、味の濃いものや甘いものが苦手になってしまったそうだ。生クリームこってりのケーキがお好きだったのに、甘さ控えめの和菓子をちょっとだけという激変ぶり。一時的なものなのか、ずっと続いてしまうのか…。ヒトの身体って本当に不思議。
モモちゃんの絵は、まずはプラスチックのボールから。硬い質感が出せずにいたのだけれど、だいぶ修正できたみたい。モモちゃんの鼻の周りの毛の色が濃すぎて、ちょっとヒゲのオジサンぽかった（！）のも、オレンジっぽくしたら、女の子らしくなってホッ。問題のレースも一応ひととおり描き終えて、もう私にはこれが限界〜。あとは１３日に鄭さんのアドバイスを頂いて、仕上げをすれば完成！
途中のティータイムでは、私が持参したボックスケーキが一応メイン。Ｗさん宅の素敵なお皿に盛り付けて頂いたら、途端にグレードアップして見えて、まるで売ってるケーキみたい！ 生クリームがかたすぎたかと心配したけど、そんなこともなく、イチゴとブルーベリーのフレッシュ感がなんとも。軽い食感なので、いくらでも食べられちゃいそう。フルーツを変えればバリエーション自由自在なので、今後も活躍してくれそう。めっちゃ簡単だし〜。
７時近くまでじっくり描いて、そのあと夕食をご馳走になる。これがまた豪華版で、コシアブラ２種類とフキノトウの揚げたてに、採れたての筍、野菜とキノコの炒め物、ホワイトアスパラ （缶詰じゃなく生なんて初めて！） のゆでたてガーリックソース合えなど、体の中からキレイになりそうな自然の食材がそろい、他にもポテトグラタンや、コトコト煮込んだお肉や、全部で１５〜１６種類ものメニューがずらりと並び、シアワセ〜。食後のコーヒーを飲み終える頃には１０時すぎ。ぜいたくな１日だったわ〜。
ボックスケーキを詰めていったタッパーウェアに食べ切れなかった料理をお土産に頂き、永福町から電車に乗って、３つめの駅がもうすぐという頃、Ｗさんから携帯にメールが入る。「待って〜！」 えっ？！ なんと私ってば、Ｗさん宅のテーブルの上にデジカメを忘れてきたのだった。油絵を描いていた和室はしっかり忘れ物チェックしたんだけどなぁ。永福町の駅まで引き返す間、改札口で待っていて下さったＷさん。ああ、もう本当に申し訳ないっ！！！ どうしてこう、必ずなにかしらやらかしてしまうんだろうか〜。
そんなこんなで、家に着いたのは日付が変わる直前だった。帰りの車内でも訳文の見直しをしようとしたけど、ついつい居眠りしちゃったなぁ。いかんいかん。
習い事に通っている場所は、今日の永福町だけじゃなく経堂も大泉学園も国立も、ウチからは１時間 〜 １時間半かかる。だもんだから、「こっちの方に越しておいでよ」 とよく言われる。今日のティータイムでも、「吉祥寺辺りがいいんじゃ？」 と Ｉ さんが言えば、Ｗさんは 「ウチのご近所なら毎日でもお惣菜を届けてあげる」 と…。中学の同級生たちは会うたびに埼玉に戻って来いと言うし。確かに今の場所は、当時の職場と伯母のいる埼玉の両方にアクセスがいいというチョイスだったので、今は別に、この場所にとどまる理由は必ずしもないのだけれど、でもでも、ここは分譲だから賃貸の時のように気軽に移れないし、このマンションも周辺の雰囲気も気に入っているし …。ちょっと心が動いちゃったけどぉ。
