まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992004-11-13

8時起床。と同時にフル回転で活動開始。もし椅子が低いと弾きにくいから愛用の座布団も持っていこう。チューナーも忘れずに。チューナーの電池が切れたら大変だから予備の電池も入れていこう。あとは? あとは? あっという間に11時のお迎えが到着。

大泉学園までの道がひどく混んでいて、到着したのは1時半頃。店内はすでにステージ仕様に照明が調節されていて、音響の準備も万全だった。実際に本番で弾くはずの場所で弾かせてもらい、マイクの位置の調整などすべて I さんの息子さんがやってくれた。

ハタと気がついたら朝から何も食べていないので、お店でサンドイッチを頂く。それからまたしばらく弾かせて頂いている間に、油絵の自習会のメンバーがそろう。

「演奏の前に油絵を描くなんて信じられない」 と息子さんが言う。「集中できるはずないでしょう」… う〜ん、それはそうなんだけど、そもそも緊張に負けてしまう軟弱な精神を叩き直すためのイベントだから。

そう言って描き始めたものの、すでにテンションが上がっていて確かに集中できない。メンバーとの会話もついつい演奏会のことになり、「練習していいよ」「指を温めておいた方がいいよ」 などと促され、結局、今日の油絵はいつもよりかなりの短縮になった。

メンバーの前ではほぼいつもどおりに弾くことができた。「絶対大丈夫だよ。頑張って!」と励ましてもらいながらなお弾いているうちに、徐々にお店に人が集まり始める。「お友達が来たよ」 とその都度知らせてくれるのでご挨拶に行ってはリビングに戻ってアルパを弾いて、またお店に顔を出してまた戻り、と繰り返しているうちに定刻の6時半。

私のために集まってくれた優しい人たちの顔、顔、顔。せめて皆さんをガッカリさせないような演奏ができますように、という祈りを込めて選んだ最初の曲は 「アルパの祈り」。弾いているうちに首筋の後ろあたりがカ〜ッと熱くなってきた。でもでも、指がふるえない! これまでのどの発表会よりもまともな演奏で弾き終えることができた。もうこれだけでいいと思えるくらいだった。

とはいえ1曲だけで終わりにするわけにはいかない。曲と曲の間にいいかげんなMCを入れつつ、2曲、3曲と進んでいく。進むにつれて難易度が上がって、つっかえる箇所も多くなる。だんだんカ〜ッと熱い部分が首筋から頬のあたりへ移っていく。暑い! でも指はまったくふるえない。す、すごい。たくさんたくさんつっかえても、本来タブーの弾き直しまでやってしまっても、優しい皆さんは笑顔で見守っていてくれる。それがどんなに心強かったか。

リビングでの練習の段階でやっぱり無理だからパスしようとあきらめていた曲まで勢いで弾いてしまい、残すはあと1曲。そう、これが問題の Over the Rainbow。果たして結果は? たくさんつっかえた。とても満足な出来とはいえなかった。でも発表会での演奏に比べたら何倍も何倍も上出来だった。少なくとも私自身はとってもシアワセな気分で弾き終えることができた。満足だった。

そして皆さんの温かい拍手。もうどれだけお礼を言っても足りないくらいだった。演奏会で中断していたお食事タイムの間もじっとしていられず、あっちこっちへ回りながら喋くりまくってもうテンションが上がりっぱなし。

お帰りになるお客様をお見送りして、荷物を片付け、帰り支度を始めたところへ、I さんの息子さんがCDをくれた。私の演奏がしっかり録音されている。その場でCDを頂けるなんて思ってもいなかった。素敵なひとときをくれたお店に最敬礼して帰路に着く。

朝と同じように車でアルパを運んでもらって、帰りは道が空いていてほぼ1時間で到着。まず頂いた花束を花瓶に移し、ふと思いついて何本かをドライフラワーにすることにした。大切な記念。それからお風呂に入ろうと沸かしている間も、まだテンションが高いのかじっとしていることができない。ただのんびりつかっていることができそうにないので、天童荒太永遠の仔」 の最終巻を持ち込んだら、その場で読み始めたのに最後まで読んでしまった。ふ〜っ。すごい物語だ。

それでもテンションは下がらない。PCをオンしてメールチェックをしたら、なんともう演奏会の写真や動画まで送られてきてる! みんなはるばる来てくれて遅くまで聴いてくれて疲れているはずなのに、こんなにすぐ手間をかけて送ってくれるなんて〜。

何から何までお膳立てしてもらって私はただ弾くだけという状況でこんなにこんなに素晴らしい体験をさせてもらえるなんて、あまりにも恵まれすぎている。遠い昔、どうせ私はひとりぽっちだ、なんてひねてた時代もあったのに、今の私はなんてシアワセなんだろう。そうした思いをかみしめることができた忘れがたい1日。今日のことを思い出せば何があっても頑張れる気がする。すべての人に心からの感謝を…!