まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992004-09-23

伯母の家から持ち帰った荷物がまだそのままになっている。ここしばらくの間にお風呂で読んだ文庫本やコミックスがどれもカバーをはずしたままで本棚の隙間に何十冊と積み上げられている。未整理の通知や書類が袋2つ分たまっている。やらなければならないことが他にもたくさん山積みになっているのだが、何もやる気がしなくて、面白くもないテレビをぼ〜っと見ていた。

気落ちしているわけではない。というよりむしろサバサバしていて、そのことに罪悪感すら感じる。母の時とはまったく違う乾いた感情に戸惑いを覚える。

頭では、違って当たり前だと理解している。母は2年半も入院していたけれど、本人も私もいずれ退院できるものと思っていたし、確かに20代の頃に30まで生きられないと医者に言われたときいていたけれど、毎晩のように大酒食らってタバコも吸い放題だった母を戒めるためだったんじゃないかと考えるようになっていたから、52歳は早すぎると皆に言われればそのとおりだと思ったし、なんといっても木曜日の夜にいつもどおり私を玄関の外まで出て見送ってくれた人が土曜日の明け方に死んでしまったことがどうしても納得できなかったし…。そんなこんなで母の死を現実として受け入れられるようになるまでにずいぶん時間がかかってしまった。

一方、伯母の死に対しては最初から気持ちの準備ができていたし、できる限りのことをしたという満足感のようなものさえあって、悼む気持ちより安堵感の方が大きいというのが正直なところで、これってあんまり伯母に対して薄情なんじゃないかと思ったりする。

… てなことをグチグチ考えていても仕方がないので、久々に泳ぎに行くことにした。マッサージのおかげか身体が軽く、いつものとおり40分泳いでも疲労感がなくて、いい気になって1時間。さらに10分のストレッチの後、いつもの倍の30分もウォーキングしたのに、なんだか不完全燃焼。サウナに入ると、オバチャンたちが誰かの悪口を言い合っていた。ちょうど民生委員さんたちと同じ年代だけに頭の中で重なってしまい、聞いているだけで気分が悪くなってくる。ううう。あの世代に対してしばらくは嫌悪感を持ってしまいそう。

プロントで桐野夏生 「OUT」 の下巻を読み始める。夢中で読んでいるところへケータイに電話。葬儀社からだった。精算が終わって請求書ができたという知らせ。この会社には伯母が何十年も前に6万円の積立をしていて、その金額だけ差し引かれるという説明を受けていたのだが、当時の6万円のコースが今は同じ内容で18万円なので、18万円をそのまま差し引いてくれると言う。そんなのあり? だって現実に伯母は6万円しか払っていないのに、自主的に12万円も損しようだなんて。あまりの良心的な申し出に驚いてしばし絶句してしまった。もちろん断る理由もないのでありがたくお言葉に甘えることにしたんだけど、なんだか伯母ちゃんがボーナスをくれたみたい。

帰宅してから 「OUT」 を一気に読み終えた。面白かった〜。やらなくちゃいけないことは放ったらかしで、やりたいことにだけ積極的。なんのことはない、いつもの私のパターンじゃないか。

せっかくのお彼岸なのでおはぎを買ってきた。お供え物とはいえ食べるのは私だから、自分が好きなごまあんとつぶあん

OUT 上  講談社文庫 き 32-3 OUT 下  講談社文庫 き 32-4