まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

国立劇場

新年最初の歌舞伎は浅草で、観劇後に浅草寺で初詣というのがパターンになっていたのに、今年も浅草の初春歌舞伎は中止になってしまったので、初歌舞伎は国立劇場で。

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おなじみの「南総里見八犬伝」で、八犬士を菊五郎菊之助時蔵松緑、彦三郎、坂東亀蔵、萬太郎、左近が演じ、敵役の扇谷定正左團次さん。番頭さんに新年のご挨拶をしたかったのにロビーにお姿がなかったのが残念。

曲亭馬琴が28年をかけた全98巻、106冊からなる長大な作品を約3時間でまとめるわけだから、スピーディーに展開しつつ、慌ただしいとは感じさせない。八犬士の誕生までは、伏姫とその父である里見義実、扇谷定正、犬の八房の画像がスクリーンに表示され、菊之助のナレーションで経緯を説明。男女どちらの台詞も織り交ぜながら違和感がないのは「兼ねる役者」ならでは。また、その説明の中での伏姫の台詞に、人と犬とが並び立つ名前が自分の運命を示しているという一節があり、ただ犬の字がつく漢字というだけでなく、そういう意味がこめられているのね、と納得。

八犬士が勢揃いする場面から花道への引っ込みの際、菊五郎は舞台に残り、松緑と左近の父子が立ち廻りを見せた後、松緑が左近を見送ってから飛び六方で入っていく。「親子で頑張ってこいよ」と菊五郎が譲ったみたいに感じられ、ほっこり。

彦三郎は肉襦袢をつけて関取風。いつ聴いてもいい声だわー。

冷静に考えると、八犬士は伏姫の胎内から飛び出した玉をもらい受けて誕生するわけだから、定正を討つ時点でみな三十路を目前にした同世代のはず。歌舞伎ではそうはいかずに年齢差が出てしまうのだけれど、そこはまぁ、お芝居だから。

終演後、近くのマザーインディアでチキンビリヤニプレート。ここで遅いランチをとることに決めていた。久しぶり。美味しかった ♪

そのあと九段下から新宿三丁目に移動し、世界堂へ。次に描く絵のキャンバスをS10とP10のどちらにするか、トリミングした写真を比べてもまだ決めかねていて、結局2枚とも購入することにして、SMとF0の小さいキャンバスも1枚ずつ。額縁の売場にも行ってみたんだけど、油絵用で正方形の額縁はひとつもなかった。それを考えると、額縁が手に入りやすいP10かなぁ。