まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

2回めのオルランド

日本時間で19日の公演の配信に字幕の不備があったため、特別に、最終日の公演が日本時間の21日午前3時から配信スタート。それを今日の昼間に視聴した。

音響というか、音楽と歌唱との音のバランスが最初の配信のほうがよかったような…。もともと普通のオペラと違い、電子音やバンド演奏などの現代的な音楽で不協和音も多いので、その音量が歌唱をかき消すほどに大きくなると、ちょっと抑えてほしいと思ってしまった。

前回の感想に書き忘れた点としては、映像が効果的に多用されていること。時には美しい風景が自然を表し、また戦争や様々な事件の関係者の写真を含め、現代社会の断片が流動的に映し出される。原作に基づく第一幕と、そこから現代まで発展させた第二幕とを対比させながら、第二幕では主人公がパソコンに向かっていたり、彼の詩集への批評として「電子ブックには向かない」という台詞が出てきたり。性差別や性暴力への問題提起も核になっている事柄のひとつで、オルランドの子供として登場するジャスティン・ヴィヴィアン・ボンドは、私は知らなかったのだけれど、ウィキペディアには「トランスジェンダー・アーティスト」とあり、知る人ぞ知る存在らしい。歴史は男によって作られ、女性の声は届かない、と女性が不当に扱われていることを訴える作品が脚本、作曲、演出から衣装まで女性クリエーターの力を結集して創作され、ウィーン国立歌劇場という伝統的なオペラハウスで上演されたことに意味があるのだろうなぁ。

ただ、こんなふうにメッセージ性の強い作品が好きかどうかは別問題で、正直なところ、ちょっと苦手。音楽や歌唱が二の次にされているように感じてしまったから。社会的メッセージを発信する場は他にもあると思うので、やはりオペラは美しい旋律と素晴らしい歌唱で酔わせてほしい。

衣装は何度観ても素晴らしい!

観ながらチクチク。久しぶりでニャンドゥティのくるみブローチにトライしたけど、新柄に行き詰まっていて、イマイチかしらねぇ。

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左は、結びかがりの曲線が動いて形が歪んでしまうので、糸の部分だけ糊付けをして、乾かしてから縫い縮めてみた。ちょっと手触りがゴワゴワするけど、このやり方もいいかも。