すでに2種類の書類が届いている次の案件、正式なゴーサインが出るとともに、さらにもう1つ書類が追加され、しかもその3つめが一番長くて、合計すると結構な大型案件。3つともPDFファイルで、通常のA4サイズの書類の見開き2ページ分が1ページになっているので文字が小さく、しかもかすれているので、拡大しても判読しにくく、翻訳以前の問題で苦労しそう。
… とファイルを開いて憂鬱になっているところへ、別のクライアントから見積もりの打診。その納期が今の案件ともろに重なっているので、どうにも時間が取れそうになく、残念ながら受注できなかった。
とにかく始めてみよう、と優先順位が一番高いファイルを開き、和訳をスタート。ああ、やっぱり読みにくい。文字がかすれているせいで、「前ニ項」なのか「前三項」なのか判断しかねたり、「山荷」ってなんだ? と思ったら「出荷」だったり。これは思った以上に大変そうだわー。
3時間ほど作業をし、ひとまず中断。身支度をして、久しぶりに駅構内のベックスに寄り、新メニューの「ジビエのデリプレート」で腹ごしらえをしてから東銀座の東劇へ。
メトロポリタン・オペラのライブビューイングもいよいよ今シーズン最後の作品。「ばらの騎士」は2008−2009年シーズンに続く上映で、元帥夫人を演じるのは前回と同じルネ・フレミング、オクタヴィアンは前回のスーザン・グラハムに代わりエリーナ・ガランチャ。フレミングもガランチャも、今回限りでこの作品から卒業すると宣言している。
今日だけ上映前に、二期会の公演で来月、元帥夫人を演じる森谷真理さんをゲストに迎え、林田さんが聞き手となってスペシャルトーク。なのでいつもよりちょっと前のほうの席を予約しておいた (^^)
林田さんが大ファンだというロバート・カーセンの演出で、第一次世界大戦の直前という設定。ハプスブルク帝国の崩壊の予兆を感じさせる。時代が変われば衣裳や装置も変わり、それ以上に新鮮だったのがオックス男爵の人物像。紅色で気のいいおじさん風で道化役としての役割だったこれまでとは違い、経済的に困窮しているために必死な貧乏貴族で、男臭くてセクシーでさえある。ゾフィーも相当に気が強い設定なのがとても良かった。
元帥夫人、オクタヴィアンとゾフィーの三重唱では自然に涙が出てきてしまい、いつも以上に拍手が鳴り止まないカーテンコールでのルネ・フレミングの表情がなんとも言えず、さらにうるうる。いやぁ、素晴らしかったわぁ。
終了が23時近くと遅かったので、帰宅後すぐに日付が変わってしまい、英訳の続きをするのはひとまず断念。チェック用に和文を印刷だけしておこうとしたら、そのあまでは細かすぎて判読不能。それならば、と見開きの2ページを片側ずつパソコンのモニター上で横向きに最大表示をし、画像として取り込み、A4サイズで出力。でも、もとの字がかすれているから、拡大してもやっぱり判読しにくいのよねぇ。困っちゃうわー。