今日は第3火曜日で手織教室の日なのに、国立劇場のチケットを水曜日に取ったつもりが間違って今日のチケットだったため、申し訳ないけど手織教室はお休みさせてもらった。そんなわけで、朝からあいにくの雨の中、コメダ珈琲のモーニングで腹ごしらえを済ませてから半蔵門の国立劇場へ。
正午開演の通し狂言「伊賀越道中双六」。今年の1月に歌舞伎座で「伊賀越道中双六」のうち最も多く上演される「沼津」が出たばかりで、通し狂言といっても全段上演されるわけではなく、今回の通しに「沼津」は入らず、この形式での通し上演j観るのは初めて。だから敵討ちがめでたく成就して幕が降りたあと、この一連の流れのどこに「沼津」が入るのだろう? と疑問に思い、ネットであれこれ調べ、ようやく義太夫の全段のあらすじが紹介されているサイトにたどり着き、納得がいった。でも「沼津」では平作が敵の居所を聞き出すために腹を切って死んでいく。その犠牲がなくても敵討ちが成就してしまうということは、平作はなんのために? と疑問に思ったりもした。まぁ、敵がずっと同じ場所に居続けるわけではないから、その都度、居場所を突き止める必要があったと考えるべきなのだろうけども。
それにしても、敵討ちって過酷だなぁ、と思う。たとえば父親を殺されたとして、敵を討たないと跡取り息子の面目は立たないとされ、一家離散の憂き目に遭っても必死で敵の後を追い、何年もかかるその間に敵を討つ側にも何人も犠牲が出たりする。ひとりの死を発端に何人もが命を奪われてしまうことになりかねない。そこまでしてでも敵討ちをしなければならないなんて、過酷すぎる。だからこそ芝居が成立し、この作品でも政右衛門は、敵の側にいる幸兵衛の信頼を得るために、妻お谷と離れ離れでいる間に生まれ、初めて抱いた我が子をその手で殺してしまう。客席はもう涙、涙。
吉右衛門の政右衛門に歌六の幸兵衛、雀右衛門のお谷。敵の股五郎を錦之助。他に、菊之助の志津馬、米吉のお袖、東蔵の幸兵衛妻おつや、又五郎は佐々木丹右衛門と奴助平の二役。長丁場ながら充実した舞台で時間を忘れる。熟練の演技をじっくりと堪能できる素晴らしい機会なのに、地味な演目のせいか客席の入りは七割ぐらいか。もったいないわー。
最前列の席で、幕間に緞帳の紹介があった時、つづれ織りの参考になるはず … と何枚か写真を撮ってみた。至近距離からだと写真のとおり輪郭線がガタガタしていても、遠くから見ると美しい曲線なのよねぇ。
16時半すぎの終演後、まっすぐ帰宅。ひと息ついて、すぐに仕事をスタート。3分割されている英文のファイルの1つめをひととおり和訳し終えた。木曜日に別の案件の英訳を送ったのに連絡がなかったクライアントから、ようやく受領確認と請求書のリクエスト。他にも請求書が未発行の案件もあったので、その作成をして、今日はおしまい (^^)