昨日の歌舞伎座夜の部に続いて、今日は昼の部…ではなく、下北沢の本多劇場で、加藤健一事務所の「あとにさきだつうたかたの」の千秋楽。
千代田線が小田急線に乗り入れているので、下北沢まで乗り換えなしで行けちゃう。でもまだ工事中の下北沢駅は、ホームから出口まで前よりずいぶん遠くなったような。
予備知識ゼロで臨んだこの芝居。途中でいきなり涙腺決壊。ようやく持ち直したと思ったら、ラストでまた決壊してしまい、もうボロボロ。すっかり泣かされてしまった。
都内の歴史博物館が舞台で、毎日訪れる老人(加藤さん)の記憶と現実とが交錯し、記憶の世界では加藤さんが老人の拵えのまま、7歳児となって飛び回る。現実の世界では物理学者となり、チェルノブイリ原発事故の翌日にオープンした原子力館の展示に関与。原発の安全性を誇示する展示に加担したことへの罪悪感。爆撃から自分を守ろうとして死んだ母への想い。設定は異なるのに、東日本大震災の状況と重なり、それが涙の要因。戦争にせよ災害にせよ、犠牲になった無数の人たちのひとりひとりに語り尽くせないドラマがある(ドラマという言葉は不適切かもしれないけれど…)。母との思い出でもあるウミガメの子供たちに向かって「頑張れ! 頑張れ! 生きていけ!」と叫ぶ7歳の加藤さんの声が被災者への激励のように響いて、幕。カーテンコールの間も、涙、涙。
終演後にヴィレッジ・ヴァンガードに寄ったら、思いがけずムーミングッズのコーナーがあり、ついついいくつか買ってしまった。そのひとつは、新しいデジカメ用のクッションポーチ♪
帰りの千代田線で、なにやら目がヒリヒリして、泣いたせいかなぁ、と思っていたんだけど、家に着いてから急に寒気がしてきて、これはおかしい、と体温計で測ってみたら7度8分。あいやー。めったに引かない風邪をこのタイミングで引くかー!
なんとしても週末までに治さねば、と早々にベッドへ。それに明日は歌舞伎座の昼の部なのにー。