まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

五重塔

今月は昼の部も夜の部も芝居は2つずつ。今日の1つめは幸田露伴原作の 『五重塔』 で、前回の上演は昭和58年だから観ていない。もとは大工の兄弟弟子で今は親方と職人の関係にある源太と十兵衛が観応寺五重塔の請負を争い、熱意をかわれて十兵衛に任されるが、雇った大工たちからそっぽを向かれ、源太を崇拝する弟子から傷を負わされ、それでも竣工にこぎつけ、大嵐にもびくともしない塔を完成させた十兵衛の技量に源太も感服し、めでたく披露の式典、というのがそのあらすじ。獅童の源太も勘太郎の十兵衛も熱演なのだが、役者のせいではなく脚本の問題として、誰にも協力してもらえず十兵衛自身も傷を負った次の場面でいきなり塔が完成しているのが唐突すぎるし、源太は何もしていないのに協力者として式典で十兵衛と肩を並べるのも不自然。十兵衛の指示に従おうとしない大工たちを源太が説得するなど、影で力添えしていたことを示す場面が必要だったはず。

勘三郎が演じたことのない芝居なのに、勘太郎の声も台詞回しも父親そっくり。DNA ってすごい。