まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

証拠写真(?!)

maru992007-06-08

寝坊しないようにと早めにベッドに入ったものの、あれこれ考えてしまってなかなか寝付けず、7時半に起きれば十分間に合うはずなのに5時すぎに目が覚めて、まだ早いから二度寝しようと思ってもなんとなく気が急いてしまい、6時すぎにベッドを這い出す。


予定より30分早く家を出て、東京駅のカフェで持参した英訳の見直しをちょっとだけ。「野菜たっぷり幕の内弁当」 とお茶を買い込み、9時50分発ののぞみで博多に向かう。博多行きなので寝過ごす心配はない。もっとも、冷房が強くて寒かったから寝るどころじゃく、和訳の見直しに集中。それにしても寒すぎ〜! 広島辺りで雨が降り出したものの、さらに西に向かうにつれてカラリと晴れ、予定通り午後2時50分すぎに博多に到着。鹿児島本線でわずか1駅。吉塚に到着する直前、線路沿いに病院が見えた。3時5分には病院に到着。方向音痴に優しい立地だわ〜。


総合受付でお見舞いに来たことを伝えると、記帳も何もなく 「直接どうぞ」 って。それじゃあその階のナースステーションで手続するのかな? と思い、エレベータで上がってからナースステーションで再び来意を告げると、名前をきかれ、看護士さんが電話をかけ始めた。え? いや、そうじゃなくて、と制する間もなく 「今ご本人がいらっしゃいますから」 って。えええ。お見舞いに来たのに病人に迎えに来させるってか?! ほどなく彼女が来てくれて、久しぶり〜、とそのまま談話室へ。外部からなんの手続もなく自由に入れちゃうってセキュリティ上問題ないの?という話からスタート。


もともと華奢な人だったのに、フェイスラインが一層シャープになって、ひと回り小さくなってしまったように見える。でも何年か前、まだ彼女がお母様の介護を始めてまもない頃に博多まで訪ねて行った時には、ストレスのせいか肌が荒れていかにも疲れている印象だったのだけれど、その時よりも表情が晴れ晴れとしているようにも見えた。お母様を見送ってほっとしたのもあるのかもしれない。思いがけず妹さんにも会うことができ、彼女も妹さんも、お母様にはできる限りのことをしてあげられたから悔いはないとのことだった。彼女が病気に襲われることがなければ、お母様の介護を終えて東京に戻ってくることもできたはずなのに … とそれは言っても詮無いこと。妹さんがニットの帽子を持ってきていた。グレーの無地で、よく似合う。「髪の毛が抜けた時のためにね」 と、そのひとことが切ない。


6人部屋で、ひとりだけ50代の女性がいるほかはオバアチャンばかりだそうで、それぞれに個性豊かなのでこっそりあだ名をつけている、といたずらっ子のように話してくれた。おかしかったのが 「水戸黄門」。オバアチャンたちって例外なく全員見てるんだよね。伯母の病院でもそうだったからよく分かる。やっぱりどこでも同じなんだねぇ。ひとり洋画の好きなオバアチャンがいて、ちょっと前に 「パイレーツ・オブ・カリビアン」 のシリーズ1を放映してた時、「なんか海賊の話のごたるよ」 と話していたそうな。食事はやっぱり楽しめるレベルのものではなく、まだお粥が主体で、やわらかい物しか食べられないらしい。ただ、糖尿病と違って食べ物の種類が限られているわけではないから、しばらくの辛抱。


何種類か服用している薬のローテーション次第で、もうしばらくしたら退院して、外来での治療に切り替わる予定だという。「できれば仕事に復帰したいんだけどね」 と、その気持ちはよく分かるけど、まずは身体を治さないとね。元気になったら、また一緒に歌舞伎を観に行こうね、と約束をとりつける。


ついつい喋りすぎて彼女を疲れさせてはいけないと、しっかり肝に銘じていたはずなのだけれど、ついつい話したいことがいっぱいあって、「もうそろそろ」 と何度か言いつつ、「大丈夫だから」 と言ってくれる彼女に甘えて話が続いてしまう状況で、結局4時半すぎまで長居してしまった。「必ずまた来るからね!」 と手を振って分かれる。何度でも行くから。退院したら、彼女の自宅へでもどこでも彼女の都合のいい場所へ出向くから。またすぐに会えるから。


4時50分に吉塚から乗り5時前に博多に戻る。「せめて博多ラーメンぐらいは食べて帰ってね」 と彼女は言ってくれたんだけど、博多市内から都内までの乗車券で吉塚から乗ってしまったから博多駅の改札を出ると前途無効になってしまう。でもきっと博多駅の構内にもお店が、と思ったらあいにく駅が改装中だそうで、ラーメンにはめぐり会えなかった。代わりに、梅が枝餅と梅ゼリーに抹茶アイスのついた 「梅・梅セット」 を注文。梅が枝餅、久しぶり〜。


下関からの直送だという 「フグの炙り寿司」 を買い込み。6時11分発ののぞみに乗る。行きの車両に比べると2世代ぐらい古い感じ。でもそのおかげか冷房がそれほどきつくなかったので助かった。2時間ほどでめでたく和訳の見直しが終わり、お寿司を食べて、あとはひたすら爆睡。途中また広島辺りから天気が悪くなって、窓に打ち付ける雨音で目を覚ますと、稲光もピカピカ。でも東に向かうにつれてまた晴れた。新大阪でどっと混んできたものの、夜の車内は寝ている人が多くて至って静か。品川辺りまでひたすら寝ていた。ゆっくり寝られたものの、首が痛い〜。


東京駅に到着したのが11時半近く。約1時間で無事帰宅。明日は油絵の教室だからケーキを焼かないといけないんだけど、さすがに疲れてしまったので、お風呂に入って寝てしまおう。お風呂の中でも彼女のことを考える。ずっと介護を頑張ってきた彼女にごほうびがあってもいいのにどうして病気なんかに、とどうしても思ってしまう。「大丈夫。神様は乗り越えられる試練しか与えないから」 と言ってくれた知人の言葉を信じたい。切に切に。