まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

またまたごちそう

maru992005-07-18

伯母の新盆で、11時に信濃町のお寺へ。今年新盆の仏様が他にも20人ぐらいいるそうで、他の檀家さんたちと一緒なので気が楽。まずは受付で、供養料3万円と卒塔婆代3千円を支払う。お寺から送られてきた盆提灯の代金は供養料に含まれているのか、別途請求されることはなかった。支払と引換えに、割り箸のような棒に複雑な切り込みの入った白い和紙を貼り付け、伯母の戒名が墨で書かれている 「旗」 とお供物を受け取る。お彼岸のお供物は最近おはぎからクッキーに変わったのだけれど、今回のお供物はお寿司の折り詰め。握りではなくカッパ巻きといなり寿司とはいえ、この暑い時季にお寿司って…。


この夏からクーラーが入った本堂で新盆供養が始まる。焼香台の上にお米を山盛りにした三宝が置かれていて、焼香の際に各自、例の 「旗」 をお米の山に差していく。だから棒が箸なのかな (1本だけど)。お経の後に、別のお寺からお手伝いに来ているお坊さんの法話。なんでも 「盂蘭盆会」 というのはサンスクリット語の 「ウランバーナ」 が語源で、お釈迦様の弟子の目連という人が神通力で亡くなった母親が餓鬼道に堕ちていることを知り、「あんなに優しかった母親がどうして」 とお釈迦様に尋ねたところ、「お前の供養が足りないからだ」 と言われ、母親だけでなく餓鬼道に堕ちている衆生の供養をしたのが始まりだそうな。(調べてみたら、ウランバーナというのは餓鬼道での責め苦の 「逆さ吊り」 という意味だった。)それがたまたま7月だったので、今でもこの時季に施餓鬼供養が行われている。ということは、目連さんのお母さんがもっと涼しい時季に亡くなっていたら、こんなに暑い思いをしてお寺に来なくてもすんだのね、とつい考えてしまうあたりがバチ当たり。


法話の後半、細木数子さんの名前も出てきた。彼女がテレビで 「仏壇に写真を飾ってはいけない」 と言ったそうで、お経を上げに檀家を回るたびに質問されるそうだ。写真を飾ること自体がいけないのではなく、写真を飾るとつい写真に向かって手を合わせてしまうけれど、あくまでも故人の魂に向かって手を合わせる気持ちが大切だという。「魂魄この世にとどまれり」 というように、故人は 「魂」 と 「魄」 になってそれぞれお墓と位牌に宿るんだそうだ。私のイメージでは、お墓や位牌に限定されることなく、もっと自由自在なものだと思うけど。


ご住職から電話で連絡をもらった際に位牌がどうとか言っていたので伯母の位牌を持参していたのだけれど、私の勘違いだったらしくて位牌の出番はなく、代わりに焼香台の横にズラリと並べてあった白木の仮位牌を受け取り、お寺から郵送されてきた盆提灯と一緒にお焚き上げ。もう正式な位牌があるのにわざわざ別に仮位牌を作って護摩焚きにすることにどういう意味があるのかなぁ。よう分からん。


なにはともあれ、護摩焚きのお経も終わり、卒塔婆を立てればすべて終了。お供物は本来、自宅に持ち帰って仏壇に備え、お題目を上げてから頂くべきものらしいけど、暑い中を持ち歩いたら途端に悪くなりそうだし、かといって喫茶店なんかに持ち込みで食べるわけにもいかないので、仕方なく信濃町駅のホームのベンチでモグモグ。なんだかなぁ…。


さて、お役目を終えたらあとはお楽しみ。下北沢へ向かう。加藤健一事務所25周年記念公演第2弾 「HERO」 の千秋楽。いつもならズラリと補助席が出て階段にも座布団席ができるぐらいなのに、連休のせいか最後尾の2〜3列はほとんど空席なのにビックリ。こんなの初めてじゃないかなぁ。決してできが悪いとは思わなかったけど。芝居の感想については、いずれ 「ミーハー芝居帖」 にアップするとして、終演後には楽しいデート。歌舞伎のお仲間Pさんが同じ芝居を観にいらしていたので、ご一緒に近くの居酒屋へ。まだ夕方だったけれど、「やってます」 という赤い提灯に惹かれて入る。


エビスの黒生 → 立山 (2合) → 八海山 (2合)→ 再びエビスの黒生と飲み進む間に、写真の冷たい冬瓜のカニあんかけ、釜揚げしらすおろし、うなぎとキュウリの酢の物、焼きナス、エイヒレ、焼きビーフンなどなど。観終えたばかりの芝居の話から、当然のように歌舞伎談義に発展し、気がつけば11時すぎ。Pさんとはいつお会いしても話題が尽きることがないのよねぇ。途中で、ビールを運んできたバイトの女の子がPさんの素敵なお着物にビールをぶちまけてしまうというとんでもないアクシデントがあって、お詫びの印に若干の割引で1人3千円ポッキリ。さらに 「クリーニング代がかかったら請求してください」と店長さんは名刺を差し出し、私たちが店を出る時にはビールをこぼした女の子を呼んであらためてお詫びをさせていた。こういう店側の対応って大事よね。Pさん、お着物いかがでしょうか? 


カトケンの芝居を観にいって午前様でご帰還とは意外な展開だったけど、楽しかったわ〜。伯母の位牌をバッグに入れたままだったから、お酒をまったく飲まなかった伯母はさぞかし呆れていたかもしれないけれど…。それにしても、こんなに立て続けに美味しいもの尽くし。しばらく体重計に乗れないわ〜!!!