ウィーン国立歌劇場からの無料配信の4つめは、1つめの「ラインの黄金」に続くワーグナーの「リング」4部作第2夜「ワルキューレ」。
MET版も観ているのだけれど、4部作の中で一番長く、休憩時間を入れなくても4時間を超える大作なものだから、東劇で何度か意識が飛んでしまい、その後BSで放送されたのを録画もしてあるものの、なかなか全体を見直す機会がなかった。あらすじはちゃんと把握してるんだけどね。
そんなわけで、今回は、字幕が時々出ないところは対訳がのっているサイトでチェックしながら、ちょっとでも気がそれて??となったら巻き戻して確認するようにして、全部をじっくり堪能。
その甲斐あって、素晴らしかったぁ~! 装置はいたってシンプルながら、ヴォータンとブリュンヒルデの父娘のドラマがくっきりと浮かび上がり、最愛の娘を罰しなければならない葛藤の末、最後の別れを前に、ヴォータンが両手を広げ、その胸にブリュンヒルデが飛び込んでいく場面で、じーん。
MET版のワルキューレ達はシルバーの鎧のような衣装だったのに対し、純白のワンピースに血潮がついているのがまさに戦場から戻ったばかりであることを思わせ、とってもリアル。
カーテンコールで、キャストへの大喝采と対照的に、指揮者のサイモン・ラトルになぜかブーイングが起きていた。素晴らしい演奏だったのに、どうしてかしら。謎。
写真は、オペラとは全く関係なくて、エレベータ内に突然設置されていた「エレベータチェア」。地震等でエレベータに閉じ込められた場合のために、水や食料を含む防災用品が入っているそうな。もちろん設置前に理事会や総会の決定があったはずなんだけど、10月の総会は都合が悪くて欠席だったし、そういえば総会決議の通知も読まずにスルーしてしまったような…。ダメねぇ。このエレベータチェアを使用せざる得ない事態になりませんように。