香取慎吾くんの個展が素晴らしく、彼のアートの才能にすっかり魅了されてしまったので、俳優としての彼にもがぜん興味がわき、今日から公開の白石和彌監督映画「凪待ち」を観に、日比谷のTOHOシネマズへ。ミッドタウン日比谷自体が初めてかなぁ。ロビーにゴジラが。
座席数92のスクリーン2での上映で、完売で満席。「凶悪」で映画賞を総なめにし、「孤狼の血」でも話題を呼んだ白石監督の作品だし、香取くんの他に西田尚美、リリー・フランキー、音尾琢真、麿赤兒など出演陣も豪華で、もっと大々的に公開されてしかるべきなのに、某事務所への忖度なのか、他にも大人の事情があるのか分からないけど、ごく限られた劇場でしか上映されていないのよねぇ。
上映前のCMでポップコーンとコーラのセットをオススメしていたけれど、実際にポップコーンを手にしている人が近くにいなかったのが幸いで、周囲の音等が気になることがまったくなく、どっぷりとのめり込んで観ることができた。
個展で目にしたあふれかえるほどの色彩やはじけんばかりの陽気な空間を生み出した本人と同一人物であることがとても信じられないぐらいに、これまでに見たことのない香取慎吾がそこにいた。ギャンブルにはまり、荒みきった中年男の役がこんなにもはまるなんて。
震災から七年後の石巻が舞台で、亜弓(西田尚美)の父勝美(吉澤健)は妻を津波で失い、高校生の娘美波(恒松祐里)は転校先で放射能云々でいじめに遭い、不登校になった。亜由美自身も前夫(音尾琢真)のDVという過去がある。みんな傷ついている。
これ以上はネタバレになるから控えるけども、リリー・フランキーや麿赤兒は言うまでもなく、ギャンブル仲間の宮崎吐夢をはじめ、いわゆる脇役の皆さんもそれぞれ、まさにはまり役で、実際にその役として今もずっと生活しているかのようなリアリティ。
途中でもうどうにも涙がとまらなくなり、これでようやく、と思いきや、そこからまたどんでん返しで、ネタバレを避けるために詳しく書けないのがもどかしいぐらい、心をがっしりとわしづかみにされてしまう作品だった。
本当に、もっと多くの劇場で、ひとりでも多くの人に観てもらいたい!!!
…と、ここまで書き終わってアップしようとしたら、いきなりネットへの接続が切れてしまい、もう再起動するしかないから、せっかく書いたのに全部消えちゃうなぁ、と思いながら再起動して、 元のページを開いたら、自動保存されていて1字も消えてなかった! はてなブログ、グッジョブ!