まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992015-05-21

團菊祭の昼の部。最初の幕は、「摂州合邦辻」から「合邦庵室」。菊之助の玉手御前。従来のように頭をすっぽり覆う頭巾ではなく、片袖をちぎってかぶっているのが色っぽい。梅枝の俊徳丸に右近の浅香姫、歌六の合邦、東蔵の女房、巳之助の奴入平。玉手が自らの血を解毒剤として俊徳丸の本復を見届け、息絶えて幕が閉まった途端、「もっと他にいくらでもやりようがあると思うのよ」と隣りのおばさまが話しかけてきた。「なにも毒なんて盛らなくたって、ねぇ?」と。えっとー。それを言ってしまうと、芝居が成り立ちませんので… ^^;

続く「天一坊大岡政談」で、菊之助が美しい玉手から、将軍のご落胤を語って天下を揺るがした大罪人の天一坊に大変身。こんなふうに幅広い役柄を「兼ねる」のが音羽屋の代々受け継ぐ芸のあり方。勘九郎コクーン版のような爆発力はないものの、歌舞伎本来の王道を行く感じ。天一坊に加担する旗本伊賀亮は海老蔵で、仁木弾正のような役作り。それだけに、ことが露見した際、伊賀亮は自害でなく出奔していたほうがふさわしいように思った。天一坊は実在の人物ながら、大岡忠相が関与した事実はないのに、大岡政談のひとつとされたのは大岡様の人気の証か。

夜の部「蛇柳」の阿仏坊でも、昼の部「天一坊」の九助でも、亀三郎がいい味を出していた。台詞もよく通るし、愛嬌もあるし、もっと注目されていい人だと思うなぁ。

帰りに北千住で、ついついムーミンショップに寄ったらば、ネットのグッズ情報でもキャッチしていなかった一輪挿しがあって、花を飾る習慣はないけど造形が可愛らしかったので連れ帰り、何か飾るものはないかと探した末に、「さるぼぼ」付きの稲穂もどきと、なぜか長〜い棒がついてる猫を穴に挿してみた。クリスマスやお正月のデコレーションにいいかも。

レースのドイリーをあきらめたあと、手織教室で先生がタティングレースのモチーフ編みをされていたのに触発されて、私も別のモチーフを編み始めてみた。糸はパステル調の段染めの40番。あきらめたドイリーは極細の80番だったから、40番の糸は何倍も太くなったように感じられる。三角のモチーフ。どんなふうにつないで、どんな形にしようかな。