歌舞伎座の千穐楽にはまだずいぶん早いのだけれど、諸般の事情により今日が夜の部。出かける準備をしているところへ、昨日の見積もり依頼と同じ会社の別の人から別件の見積もり依頼。事情を説明して双方で調整してもらい、まず昨日の依頼にゴーサインが出て、その次でいいから別件も、と。同じ会社の同じ部署からの依頼が重なるのは珍しい。
「團菊祭」と銘打ってはいるものの、肝心の「團」を欠いているから、かえって寂しさが募るような…。それはともかく、夜の部の幕開きは久しぶりの「慶安太平記 − 丸橋忠弥」。忠弥を演じる松緑のブログによると、三升以上も呑んだという忠弥の台詞があることから、自分も試してみよう、と一升八合まで呑んだそうな。すごい。でも無理をして身体をこわしてしまったら大変。手を変え品を変えての見応えのある立ち回り。スピード感もあり、思わず応援したくなる。
歌舞伎十八番のひとつを海老蔵が以前、自主公演で復活した「蛇柳」が本興行で初の上演。大蛇の妖怪に変身したことを示す青隈にも紅を効果的に用いて、妖怪なのにイケメン。対して高僧を演じる松緑は、白塗りに真っ赤な唇が悪目立ちしていた。他の僧たちと同じように紅を使わないほうがスッキリしていたはず。二匹の大蛇が絡み合い、法力で柳の大木に変えられた姿を描いた背景の構図がとても良かった。
そして最後が今月一番のお楽しみ、「神明恵和合取組」通称「め組の喧嘩」。左團次さんが力士の四ツ車を演じていて、対立する鳶に扮する様々な若手との楽しい写真をたくさんブログにアップしていて、
とってもいい写真ばかりだから、愛用の手帳にコラージュのページを作ってしまった。むふふ♪
鳶の頭、辰五郎を演じる菊五郎のカッコイイこと! 惚れ惚れ〜。め組が出るたび思い出すのは、團十郎が辰五郎と対峙する場面で、大音量で「四ツ車!」と自分の役名を呼んで平然としていて、笑いをこらえ切れずに後ろを向いた音羽屋と三津五郎の肩がプルプル震えていたこと。それが今では、團十郎のみならず三津五郎まで…。賑やかな喧嘩場を観ながら、たまらなく切なくなってしまった。
明日は昼の部だから、早寝しないと。