まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992011-03-07

早起きするつもりだったのに、すっかり寝過ごしてしまった。窓の外を見てビックリ。雪! 降ってる降ってる! 実は今年、何度か雪やみぞれが降ったというニュースを耳にはしたものの、生活時間帯が狂っているせいか、降ってる最中にこの目で見るのは初めてだった。身支度を済ませて家を出る時間になってもまだ降り続けていて、寒いけどちょっとワクワクしながら駅へ。

北千住で乗り換えて、始発の日比谷線で延々と終点の中目黒まで。車内では文庫本を読みふける。中目黒GTホールに行くのは初めてなので、しっかり地図を印刷して行ったのだが、改札を出たらもう目の前。雪は雨に変わっていて、傘をさす必要もないぐらいの至近距離。

とあるNPOが主催の「春風コンサート」。現在もNHKのラジオ講座で講師をなさっている遠山顕先生がメインのイベントで、先生から年賀状でご案内を頂いていた。全席自由だったので、しっかり最前列に陣取る。先生は何年か前から琵琶を弾いていらして、琵琶の先生でもある室井三紀さんと、チェロ奏者のウォルター・ロバーツさん、そしてモンゴルの楽器、馬頭琴を弾くのが美炎(みほ)さん。

「語り」と「音楽」そして「東洋」と「西洋」の音楽のコラボレーション、と銘打つとおり、3種類の楽器の様々な組み合わせをBGMに、先生がまず日本語で語り、同じ内容を今度は英語で再演するというユニークな試み。昔話を先生が脚色した「ねずみ念仏」や「貧乏神」、北原白秋の詩「憎いあん畜生」を「イパネマの娘」のメロディに乗せて、さらにはシェイクスピアソネット18番とバラエティ豊かで、馬頭琴のソロ「万馬のとどろき」や、馬頭琴とチェロの合奏「君のつばさ」、三紀さんの「那須与一」など、音楽もたっぷり。チェロが人間の声に一番近い楽器と言われることは、オッターヴァでもたびたび耳にしていた。「馬頭琴もそうで、いわばチェロは男性の声、馬頭琴は女性の声」というロバーツさんの言葉に納得。

馬頭琴の演奏を生で見るのは初めて。普通の弦楽器は弦の上から指で押さえるのに、馬頭琴はネックと弦のすきまに横から指先を差し込んで弦を押し上げるそうで、爪で押し上げるならともかく、爪の付け根のあたりを使うため、皮膚がこすれて最初のうちは血が出て大変なんだって。毎日弾いていると固いタコになって痛みはなくなるものの、何日かさぼるとまた皮膚が柔らかい状態に戻り、最初と同じように痛いとのこと。ひぇ〜。話を聞いているだけで指先のあたりがゾワゾワしてきた。でも音は素晴らしく美しい! ミステリアス。

終演後、先生とお話もできてよかった。学生時代、先生の大ファンで、廊下で偶然すれ違うだけで1日中ニコニコしてたっけ。思いがけずその学校の教務課に就職することになって、私の配属された部署に先生がふらっといらして、初めてお茶を入れたときのドキドキを今でもよ〜く覚えている。なつかしいわ〜。若かったわ〜。

帰りの車内で今野敏「ボディーガード3 工藤兵悟 バトル・ダーク」を読み終えた。今野さん作品90冊目!

お風呂の中では、よしながふみ「執事の分際」を読了。数日前に読んだ「こどもの体温/彼は花園で夢を見る」とはまったく違うボーイズラブ系なんだけど、面白かったぁ。うまいなぁ、と思わずうなっちゃうのよね。この人の作品っていつも。

雪の写真は撮りはぐれてしまった。そろそろあたたかくなってほしいなぁ。