まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

ステージ衣裳 (?)

maru992006-09-24

6時の目覚ましで、スヌーズ機能を待つまでもなくシャッキリ起床。夕べは3時すぎまで寝付けなかったから明らかに睡眠不足だけど、今日は気持ちの身体がついてくるはず。まずはシャワーで身体の隅々までしっかり目覚めさせる。


普段こんな早い時間に朝食をとることがないのであまりお腹は空いていないのだけれど、無理にでも食べていかないと。夕べのうちに支度をしておいた割には、せめて1〜2回ぐらいは弾いてから出るつもりだったのにそんな余裕もなく、もう家を出る時間。「オードリー、今日はよろしくね」 と自分のアルパに声をかけ、カバーを装着。駅へ向かう。アルパを抱えて行く分、早めに出たのが大正解で、7時40分の電車にほぼギリギリのすべり込み。御茶ノ水までは立ちっぱなしだったけど、幸い中央線はガラガラで、アルパを支えながら座って行く。まず倒れることはないと思いながらも寝るわけにいかず、睡魔と闘いながら、三鷹で特急に乗り換える気力はなく、国立の改札を抜ける時点で集合時間の9時ジャスト。強い風にあおられそうになるアルパをしっかり抱え、国立楽器に到着すると、みんなもうチューニングを始めていた。いつもはこの時点で焦ってさらに緊張しちゃうんだけど、今日は大丈夫。なぜかというと、今日は私だけが伴奏ナシのソロなので、ギターに合わせてチューニングをする必要がない。とりあえず弾いてみて、音が狂ってると思うところだけを直して手抜きのチューニングを早々に完了 (先生も読んで下さっているというのに、こんなこと書いたら怒られちゃうかしらん?)


私の順番は23人中の20番目。緊張しながら待ってる時間が長い〜。9時半からリハーサル開始。みんな緊張している。その緊張が伝わってきて、自分もさらに緊張してしまう。その証拠に、途中でハタと自分のイントロが思い出せなくなってしまった。リハーサルの音を聴きながらだと思い出せなくて、あわててロビーへ。気持ちを落ち着かせたらすぐに思い出したけど、ううう、不安が募る〜。そしていよいよ私の番。案の定、指がふるえまくってうまく弾けない。ああ、こんなはずじゃなかった、いや、こうなることは分かっていたんだけど…。それでも、大失敗して号泣に終わった Over the Rainbow の時のようにこのまま永遠に終わらないんじゃないかと思うようなことはなく、左手がすっぽ抜けちゃったところとか右手がふるえて音が出なかったところとかたくさんあったけれど、とりあえず曲がストップすることはなくひととおり終了。ああ、やっぱりこうなっちゃうかぁ、と落ち込みながら楽屋に戻ると、「練習の時より音がしっかり出ていて良かったですよ」 と先生が言って下さったのでちょっと安心して、その後も他の人たちから 「きれいに音が出ていたよ」 なんて言ってもらえて、根が単純だから途端に元気になっちゃった。


今年はリハーサル終了後も使用できる練習室が確保されていて、これがとってもよかった! もちろん、当日に何度か弾いたところで急にうまくなるわけじゃないことは十分承知しているのだけれど、開始直前までアルパにさわっていられるという、それだけで安心感がある。先生が用意して下さったお弁当も、緊張のせいかはたまたいつもと時間のサイクルが違うせいか、オニギリひとつを食べるのがやっと。早々に済ませて練習室へ。ギリギリまで弾く。それなりに弾ける。ああ、本番でこんなふうに弾けたら … !!!


1時半に集合して記念写真を撮り、2時には音出し禁止。2時15分開場で、いよいよ発表会の始まり。客席後方で聴いていると、みんなリハーサルより格段にいい出来。いいなぁ。私もそうだといいのになぁ。でもそううまくはいかないんだよなぁ。前半が終了し、休憩をはさみ、だんだん順番が近づいてくる。徐々に緊張が高まってきて、手にいやな汗をかき始める。次は自分という時が緊張の極地。ああ、もう逃げ出したい。大丈夫大丈夫、さっきあんなに指がふるえてもとにかくひととおり弾けたんだから、と自分に言い聞かせる。ああ、前の人が終わってしまった。いよいよ私の番!


まずはアルパを片手に正面を向き、一礼。うわ〜、たくさんの人が見てるぅ。ダメダメ、気にしない気にしない。大きく深呼吸をして、イントロを弾き始める。… あれ? 普通に弾けた。指がふるえていない。本当? これからふるえ始めるの? あ、そんな余計なこと考えちゃダメだってば。でもいつもあんなにブルブルふるえるのに? ああもう、雑念が消えない。ホラ、間違えた。ひぇ〜っ、リハーサルでもやらなかった弾き直しをしてしまった。人差し指がちょっとふるえる。でもすぐまたもとに戻った。なんで? いやいや、もう何も考えるな〜っ! なんかもう頭の中がグチャグチャでジタバタしているうちに終わってしまった。く〜っ。そんなにひどくはなかったような気もするし、とにかく曲が止まらなかったリハーサルの方がよかったような気もするし、自分ではもう何がなんだか分からない状態。でもね、へへっ。泣きませんでした〜っ!! それだけでもういいか、と思いながら楽屋に戻ると、リハーサルだけじゃなく普段の練習の時よりも良かったという思いがけない評価を頂きビックリ。何はともあれ、終わった〜っ!!!


残る3人も演奏を終え、発表会は無事に終了。休憩をはさんで、先生のコンサート。パラグアイのアルパだけでなく、レバーアルパとアルパジャネーラの3台を曲によって使い分けながら、ラストの曲は手拍子もついて大いに盛り上がり、圧巻。すごかったぁ。


本来なら朝と同じようにアルパを抱えて帰らなくちゃいけないところなんだけど、I さんが何日か後でよければ車で運んで下さるというので、申し訳ないけどお言葉に甘えてしまった。発表会が終われば次の優先事項は書評の締切なので、オードリーが我が家に帰ってくるまで練習はお休み。


近くのお店で有志のみの打上げ。お昼がオニギリひとつだったので、無事に終わって安心したら急にお腹が空いてしまい、もりもり、ぱくぱく、きれいに平らげ、10時すぎにおひらき。この時間はもう中央線が各駅しかないので、家に着いたのは日付が変わる直前だった。でもアルパを預けてきたので身軽だったから、それほど疲れは感じない。でももし本番でもっと失敗していたら、気持ちが晴れなくて帰り道の足取りも重かったかもしれないなぁ。来年の発表会でもし 「少年時代」 がそれなりに弾けたら、再来年には Over the Rainbow のリベンジに挑戦したいという密かな野望が…。あっ! よほど舞い上がっていたのか、発表会の記念になるような写真を撮るのを忘れてしまった。仕方がないので、今日のステージ衣裳 (?) をば…。


すでに1時を回っているけど、明日も明後日も歌舞伎座だっ!