まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座 夜の部

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 昼の部最後の「一條大蔵卿」と呼応するように、夜の部最初は、吉右衛門が武智光秀に扮する「絵本太功記」より尼ヶ崎閑居の場。幸四郎の十次郎、米吉の初菊、東蔵の皐月、雀右衛門の操、歌六の真柴久吉、又五郎の真柴久吉。こっちは寝落ちしなかった。やっぱり眠気は満腹度に比例するようで…。この芝居では、光秀の謀反を「家名に泥を塗った」と母も妻も非難する。史実ではどうだったのかなぁ。

華やかな「勢獅子」。梅玉芝翫の鳶頭、魁春雀右衛門の芸者を中心に、鳶の若い衆や手古舞がずらりと居並び、次々に踊りを披露する。ここでは梅玉の音頭で江戸前手締め

最後の「松竹梅湯島掛額」は楽しかったー。猿之助の紅長、絶妙。アドリブOKの世話物なので、ハヅキルーペやチコちゃんの決め台詞「ボーッと生きてんじゃねーよ」まで飛び出し、笑いの渦。七之助八百屋お七幸四郎の吉三郎で、お七が紅長の入れ知恵で吉三郎の前で気を失ったふりをする場面では、猿之助幸四郎に「ホントは四十過ぎのオジサンなんだから」なんて言ってた。

後半の「火の見櫓の場」ではガラリと雰囲気が変わり、七之助が人形振りで、極刑になる覚悟で吉三郎のために木戸を開ける太鼓を打ち鳴らし、吉三郎が詮議をしていた剣を手に、吉三郎のもとにひた走る。降りしきる雪の中で、お七の衣装の赤と黒髪のコントラストが印象的な場面。

昼夜ともに充実していた。大満足!