まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992011-05-23

しっかり睡眠調整できたのかどうか不安なままで演舞場へ。今日の昼の部は「敵討天下茶屋聚」通し上演。冷酷非道な東間三郎右衛門と小心者で小悪党の安達元右衛門を幸四郎が演じる。特定の場面だけを抜き出して演じられることがほとんどない演目で、通し上演も猿之助でしか観たことがない。長いこと観続けていると、たまにしか出ない演目というのはそれだけで貴重だし、天保年間以来という一人二役の演出にも興味があった。

チケット発売を午後まで忘れていたので2列目だったんだけど、なんとまぁ、寝ている人の多いこと! あちこちから寝息が聞こえてくる上に、隣りのオバサンはイビキが大きくてもう参っちゃった。この人、よほど疲れているのか開演前から居眠りしていて、休憩時間も寝ているんだけど、不思議なことに休憩時間は静かに寝ているだけなのに、芝居が始まるとイビキをかき出して、それがまたウシガエルの鳴き声みたいに低く大きく響き渡る。足も腕も大きく開いていて私の席まで肘が張り出しているから、イビキが始まるたびに突っつくと止まるんだけど、しばらくするとまた始まる。また突っつく。その繰り返し。できる限り阻止したつもりだけど、それでも絶対、舞台まで聞こえたと思うなぁ。

決してつまらないわけじゃないんだけど、やっぱり最初から最後まで同じ芝居だからどうしても飽きちゃうんだろうなぁ。私は睡眠調整の甲斐あってか、はたまた隣りが派手に寝ていたせいか、一度も睡魔に襲われることなく、細かいところまであれこれ考えながらしっかり観ていた。でもやっぱり、気持ちが浮き立ってこないんだよねぇ。猿之助の芝居にはそれがあった。なぜかと考えてみると、せっかくの一人二役裏目に出ているせいだと思う。東間は幸四郎にピッタリなんだけど、そもそも小心者に見える人じゃないから元右衛門のような小悪党は似合わない。ちょっとした仕草や表情で笑わせる場面も、愛嬌が足りないから空回りしてしまう。片桐造酒頭が東間と同じこしらえで見間違われるのも、特にあとへの伏線になっているわけでもないから不要な気がした。段四郎の早瀬玄蕃頭、梅玉錦之助が演じるその息子たち、歌六の片桐など、それぞれの役はすごくいいんだけどなぁ。最後は敵討ちを果たして全員そろって気持よく終わるのかと思ったら、敵討ちを助ける側として吉右衛門が演じる人形屋幸右衛門は片桐に呼ばれて出かけていると説明があって二人とも出てこなくて、舞台面が寂しいままで幕切れ。演出次第でもっと面白くなりそうだったのに、なんだか残念。

どこにも寄らずに帰宅して、ひと息ついてからすぐに仕事をスタート。明日は夜の部だから、朝まで仕事をしてギリギリまで寝ていたほうがいいだろうと思い、午前4時近くまで。それでもまだ73ページの中頃まで。ゴールが見えそうで見えてこない〜!