まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992010-11-11

たっぷり睡眠をとり、準備万端。今日こそ眼科へ。でも12時から15時まで3時間も昼休みなので、午後の診療が始まるまでじっくりアルパの練習。

今使っているソフトレンズがたまに左目だけ違和感があるので、別のレンズに替えられるかどうかきいてみたところ、私の目は普通の人より眼球が平べったいのでレンズのカーブがゆるいものでなければ合わなくて、そのタイプのレンズは2社がそれぞれ1種類ずつしか出していなくて、もう1社のほうは1か月分にして3千円近くも割高。そこまでして替えるのもねぇ。結局、選択肢はないも同然。不便な目だわぁ。

4時すぎに眼科が終わり、東銀座へ向かう。5時ちょうどぐらいに着いて、まずは東劇の窓口でチケットを確保。7時まで時間をつぶそうと近くのスタバへ。演舞場への行き帰りに何度も前を通っていながら、入るのは初めて。図書館で借りた今野敏「海神の戦士」を読みふけっていたら、約2時間なんてあっという間。

METライブビューイング新シリーズの第1作は、ワーグナーニーベルングの指環」序夜「ラインの黄金」。4夜16時間に及ぶ大作のスタートで、前例のない大がかりな舞台装置が話題の舞台。かろうじてタイトルをきいたことがある程度で、まったく予備知識のない白紙の状態で、前評判の高さに期待がふくらむ。

これまでの作品のいくつかでメイキング映像の一部が紹介されていたので、大掛かりな装置の概要だけは分かっていた。舞台の全面に回転式の板をズラリと並べ、自在に回転する仕掛けは、無理やりたとえるとすれば、歌舞伎のがんどう返しの大屋根を細い立板に切り分けたような形状。その1枚1枚の板の動きと見事な照明の効果によって、階段になったり、壁になったり、水底を表したり、表面に稲妻が走ったり、そして最後は山頂にそびえ立つ神々の城を描き出し、その城へと続く虹の架け橋になる。お見事!

冒頭にメイキングとインタビューがあり、ほとんど直立した崖のような板の上で後ろから綱一本で吊られた状態でバランスをとりながら歌わなければならない「ラインの乙女」のリハーサル風景。怖くて立つのも大変そう。その様子をたっぷり見せておいて、本番はライン川の水底で彼女たちが楽しげに歌う場面から始まる。吊られていることなど感じさせない優雅な動き。もうそれだけで目頭が熱くなっちゃう。

彼女たちから奪った黄金で指輪を作り、世界征服をたくらむアルベリヒはなぜかレゲエ風のドレッドヘア。自在に変身する術を手に入れ、まずは大蛇に。でもこれがなぜか生きた大蛇じゃなくて骨なの骨! なぜ骨? さらに「小さくはなれないだろう」と挑発されてヒキガエルに変身してつかまってしまう。世界征服をたくらむほどの悪役がなんてあっけない! 面白すぎる〜。

音楽の素晴らしさは言うまでもなく、歌詞がドイツ語で、遠い遠い昔に学習したことがあるので、時々知ってる単語が出てくる。この程度だと歌詞に意識を奪われすぎず邪魔にはならない。

幕切れ、神々が城への架け橋を上がっていく場面はスペクタクルで、圧巻の幕切れ。え? 終わり? 休憩じゃなく? 物足りなかったわけではまったくなくて、もう3時間経ったの?! という驚き。いやぁ、すごかったぁ!

続く第1夜「ワルキューレ」の上映は6月! 待ちきれないっ!! とはいえ、今回の「ラインの黄金」もMETで上演されたのが10月初めでほぼ1か月しか経っていなくて、「ワルキューレ」も5月上演ですぐ6月にライブビューイングとして配信。これだけ質の高い映像なのにこのスピードってすごいと思う。新シーズン12作、全部観た〜い!