まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992010-09-26

夜が明けるぐらいまで手織りの宿題にかかりきりだったので、パンパンになった肩をお風呂でほぐし、寝たのは7時すぎ。5時間ぐらいしっかり寝て、午後イチに起き、2時すぎには家を出る。

北千住のスタバで手帳の整理なんぞを済ませ、なにげなくチケットを見ると、演舞場での9月歌舞伎「秀山祭」夜の部の開演は4時45分。いつもより15分遅いのね。確認してよかった。ちょうどいい時間までゆっくりしてから東銀座へ。

「猩々」という踊り、ずいぶん久しぶりに観る気がする。酒売りに芝雀。いつもより老けて見える気がして、そういえば驚異的に若々しい父君の雀右衛門さんはお元気かしらん、と想いをはせる。赤い髪の猩々に扮するのは梅玉松緑。何年観続けていても踊りってよく分からないのだけれど、足の動きが独特で面白い。

俊寛」って出すぎじゃないかなぁ。まぁ秀山祭の演目としてははずせないのかも。そうは思ってもやはり食傷気味。最後に歌舞伎座で観た時、幕開きに磯の香りが強くしたのが印象的だったのだけれど、今回はまったく感じなかった。道具立ては同じだから、歌舞伎座と演舞場とでは空気の流れ方が違うのかもしれない。俊寛はもちろん吉右衛門で、幕切れ、まさに放心状態といった表情が印象的だった。

さらに踊りがふたつ。芝翫の「鐘ヶ岬」と富十郎の「浮かれ坊主」。ともに八十台の円熟の味わい。特に「浮かれ坊主」は、若い頃とは身体の動きが違うとはいえ、見かけも雰囲気も所作のひとつひとつも、やっぱり天王寺屋で観るのが一番しっくりくるし、他の人じゃなくこの人で観たい作品だなぁ、と実感させられる。「鐘ヶ岬」は地唄で、三味線、琴、笛の3人だけで、三味線の人がメインで唄い、途中から琴の人も唄に加わる。いわゆる弾き語りというのは歌舞伎では珍しい。シンプルで、どこかひなびた味わいがあって、とてもよかった。

オーラスの一幕を若手が受け持ち、「引窓」。この作品は、上演頻度も適度だし、観るたびによくできたいい話だなぁ、と感心させられる。松緑の濡髪は、自然に関取に見え、大銀杏もよく似合う。

歌舞伎座の閉場後もこうして観続けているわけなんだけど、劇場で知り合いに会う回数が激減しているのよねぇ。皆さん熱が冷めてしまったのかしらん。

帰りの車内で今野敏「内調特命班 邀撃捜査」を読み終え、再びスタバに寄って、芝居の感想と本の感想をそれぞれ書き記し、帰宅後はまた手織り。まだ終わらないのよ〜!