まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

カウントダウン

maru992009-05-25

しっかり寝ていくつもりがなぜか何度となく目が覚めて細切れの睡眠になってしまい、少しでも眠っておこうと思うとなかなかベッドから出られず、夜の部だというのにその前にこれといって何もできないまま、あっという間に家を出る時間。

團十郎の 「毛剃」 はいいなぁ。通し狂言 『博多小女郎浪枕』 として国立劇場で上演された時には吉右衛門だったけど、あの分厚いどてらとバッテン言葉が骨太の團十郎に似合うんだよねぇ。運悪く密貿易の船に乗り合わせてしまう京の商人宗七役を上方モノでは右に出る者のない藤十郎。すでに喜寿を迎えたというのに、孫でもおかしくない年の菊之助と恋仲を演じてなんの違和感もないところがすごい。ハッピーエンドのように終わったものの、通し狂言の続きとしては、毛剃一味は捕らえられても大赦で死罪を免れるのに、宗七だけが可哀想に命を落としてしまうのよね〜。

菊五郎の小猿七之助時蔵の滝川という顔合わせの 『夕立』。小猿七之助といえば猿之助、というイメージだったのに筋書の上演記録に該当する記載がなく、不思議に思って調べてみたら、猿之助が演じたのは黙阿弥の 『網模様燈篭菊桐』 だった。この芝居を舞踊にしたのが今月の演目。そかそか。納得。無理やり事に及んだ後に、女はすっかりなびいてしまう。それもやむなし、と思わせるに十分な色男ぶり。

次はガラリと趣が変わり、いかにも宇野信夫作らしいほのぼのとした一幕。「のっそりした男」 を海老蔵が演じるとこうなるのねぇ。最初はかな〜りビミョーだと思わないでもなかったけれど、ひとり酒を楽しむ場面などは思わず笑いを誘われて、これもアリかなぁ、と納得させられちゃう。操りの猫が素晴らしい動きをするのでビックリ。三津五郎の大家をはじめ、長屋の衆がそれぞれにいい味を出しているし、梅枝クンは相変わらずキレイだし。

最後は 『鴛鴦襖恋睦』 と難しい漢字が並び、「おしのふすまこいのむつごと」 と読む。大先輩たちがほとんど1役かせいぜい2役の中、それぞれ4役、4役、3役と大活躍したかつての三之助、海老蔵菊之助松緑が今月のオオトリを勤める。全体の狂言立ての流れとしてもなかなかいい趣向。

9時を回った終演後、昨日と同様にスタバで芝居の感想を書き、日付が変わる直前に帰宅。千秋楽は明日なんだけど、手織教室と重なっちゃったから前倒しをせざる得なかった。明日の楽の日にはカウントダウンの数字が340になるのね〜。どんどん減っていくのは寂しいなぁ!