まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

ガラス張り

maru992009-05-03

なんだかヘンテコな夢を見て、目が覚めたと思うとまたZZZ … としばらくうつらうつらして、ようやく起きてPCを起動したら、ポータルサイトのトップニュースとして目に飛び込んできたのが忌野清志郎の訃報。ボーゼンとした。完全復活ライブから1年ちょっと。もうすっかり快復に向かっているのだとばかり思っていた。うまく言えないけど、あのキヨシローでもやはり癌には勝てないのかという無力感と悔しさと…。キヨシローなら必ず克服してくれる。そう信じずにはいられないほどエネルギッシュだったから。

気持ちを切り替えて、原宿クエストに向かう。「イッセー尾形 これからの生活 in GW クエスト公演」 の千秋楽。途中の車内では、昨日読み始めた横山秀夫 「影踏み」 の続き。

ロビーにはイッセーさんの手書きのイラストが飾られ、いつもどおりフリードリンク&フリーフードでにぎわっている。おいなりさんを2つご馳走になったあと、サンドイッチやおにぎりも運ばれてきたけれど、あまりお腹いっぱいにしてしまうと睡魔を誘うおそれがあるのでガマンガマン。

頑固であったかい大工の棟梁に始まり、たっぷりの肉襦袢で豊満なオバサマ、会社の創立パーティーで敬語に悩むイマドキの若者、夜逃げして一家離散の憂き目に遭っても元気いっぱいの元子さん、クライアントには絞られ家族は食中毒で入院し社員の父親に怒鳴り込まれとさんざんで思わず応援したくなる広告代理店の社長さん、天草四郎ならぬ天草ゴローのあやしげな物語を子供たちの前で演じてみせる大道芸人、大好きな大家族シリーズの最新作 (内山さんが新妻を伴って訪れる!)、そしてスズキタマオの FM 墨田 (歌ネタ) と、全部で8つ。面白かったぁ。前から2列めのほぼ中央だったから、短い暗転に続いて照明が入ると、スキットによってはステージから身を乗り出したイッセーさんの顔がどど〜んと近くにあって、ビックリというかドッキリというか。終演後、アンケート用紙に細かく感想を書き込んできたのだけれど、「棟梁」 を間違えて 「頭梁」 と書いちゃったなぁ。鳶たちを率いる 「頭(かしら)」 ではなく、建物を支える 「棟 (むね)」 と 「梁 (はり)」 なのねぇ。よし覚えた。もう忘れないぞっと。

エストの近くのイタリアントマトでコーヒーブレイク。「影踏み」 の続きを読む。あやうく最後まで読みきってしまいそうになり、途中でやめて帰りの車内で読む分を残したつもりだったんだけど、大手町をすぎた辺りで読み終えてしまった。警察側の人間が主人公だったこれまでの作品と違って、犯罪者の側を描いている。でも警察側の人間も犯罪者も、立場は違っても同じように傷つき、同じように切なさを抱えている。ストーリー自体がおもしろいのに、登場人物の内面も深く掘り下げているから、いっそう読み応えがあるんだろうなぁ。

帰宅後、NHK の BS で 「通し狂言伊勢物語」 を観た。2003年10月の国立劇場猿之助博多座での公演中に脳梗塞で倒れたのはその翌月。こんなに元気だったのにねぇ。9時から1時半すぎまでの4時間半。これだけの時間をかけて全幕を放送してくれるのは NHK ならでは。

あらためて、キヨシローに、合掌。