まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

海老蔵でぃ

maru992008-01-24

芝居が続くと、睡眠を優先する結果、他のスケジュールに影響が出て、日記もとどこおりがちに … というのはもちろん言い訳に過ぎないわけですが、またしてもまとめ書きすることになってしまいました〜。


昨日の歌舞伎座昼の部に続いて、今日は新橋演舞場で、何かと話題の市川海老蔵が5役を演じ分ける通し狂言 『雷神不動北山櫻』。海老蔵という人は、新しい役でも、そつなく演じるということをしないで、自分なりの演じ方を人一倍あれこれと模索しているように思う。無難に及第点をめざす演じ方ではないから当たり外れも大きく、はずした時 (もちろん私の主観にすぎない) も、そのやり方はどうだろう、と演じ方にハテナマークがついても、姿はまず文句なし。役者として、容姿だけを評価されるのは不本意かもしれないけれど、海老蔵はもちろん容姿だけの人ではないし、あれだけ姿がいいのは大きな強みに違いない。今回の5役も、姿はいいに決まっているから、どう演じ分けるかが楽しみだった。5役の中で安倍清行という役は、役柄としては大評判になった光源氏に近く、私としては光源氏は、姿はもう夢に出てきそうに素敵だったけれど台詞が不自然すぎて残念に思った役なので、今回は果たしてどうかと一番心配だった。それがまぁ、無類の女好きという点でも光源氏と同じなのに、なんとも楽しい仕上がりで大いに笑わせてもらった。光源氏もこれでいけばよかったのになぁ。他の役では、「毛抜」 の粂寺弾正が上々の出来。今まで私の中では、左團次さんを超えて團十郎の弾正が一番だったのに、海老蔵がこれを塗り替えてしまった。寝そべって考え込む場面の 「型」 が型に思えないほど自然で、愛嬌といい豪快さといい、この作品の作為にとてもよく合っていると思った。「鳴神」 は単独でもよく演じられるけれど、通しで見ると鳴神上人ってかわいそうなのよねぇ。朝廷に裏切られ、さらに色仕掛けで攻略された上に殺されてしまう。前半は抑え目でちょっと物足りないぐらいだったけれど、その分、相手役の芝雀がいつも以上に積極的でたっぷり見せてくれた。荒事になる後半の海老蔵はさすが。早雲王子は、5役の中でも一番ニンに合っていたんじゃないかなぁ。基本的に善人より悪人の役の方が海老蔵の魅力がより一層光るような気がする。薄笑いを浮かべた不敵な表情がとか、すごくいいんだもの。不動はまぁ、最後のおまけのような役で、宙吊りを使った演出が成功していたと思う。


ミーハー芝居帖に書くべき内容を長々と書いてしまった。5役のそれぞれは上記のとおりで、全体としてすごく面白かったし、できればあと2〜3回観たかったぐらい。これだけ魅せてくれるんだから、様々に取り沙汰されるプライベートなんてどうでもいいわ〜。


終演は3時前と早かったので、北千住のスタバでひと息ついたあと、買い物でも、と駅ビルの食料品売場を回ってみたものの、な〜んにもほしい物がなくて素通り。帰宅後は手織の続きをしながら、録音してあった夕べの 「このみブレイク」 を聴く。手織はようやく折り返し地点を過ぎ、あとは線対称で、同じ模様を逆の順番で繰り返すだけ。


お風呂はさっと済ませて、2時すぎに就寝。明日の歌舞伎座は夜の部だから、寝るのがちょっと遅くても大丈夫^^