まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

パンフ&ポスター

maru992007-07-01

7月っていうと、いよいよ夏って感じが一気に高まる。と同時に、1年ももう後半かぁ…、という焦りのような思いもこみ上げてくる。今の自分はこれでいいのか? という疑問が高まりつつあって、その答えが見つからないまま7月になってしまったことに、あらためて焦り始めているというか…。その疑問と向き合っているはずの自分と、もうひとり 「いいんじゃないの? 今のままで十分じゃん」 と怠惰にふんぞり返っている自分もいて、ともすれば後者にひきずられそうになる。そんなこの頃。


午前中に家を出て銀座に向かう。7丁目にある 「渋谷画廊」 の画廊協会展。I さんがオーナーである画廊茶房 「節」 からは、私たちの絵画教室の講師をして下さっている鄭先生と、この春から授業のスケジュールの都合で講師をお休みしている王先生の油絵と、このお2人と同じ留学生で I さんの授業を受けていた田さんの工芸品 (電灯) と、I さんと同じ人形教室に通っていらっしゃるTさんの 「真夏の世の夢」 パックの人形の4点。鄭先生の油絵は、事前に携帯の画面で写真として拝見して、その小さな画面でも雲の立体感に驚嘆したのだけれど、実物を前にすると、さらにその迫力に圧倒される。たくさんの雲が浮かぶ青空が印象的な草原を背景に白いTシャツでうつむいている自画像。首の後ろに飛び出しているTシャツのタグでさえ立体感や質感があり、雲のひとつひとつ、草の1本1本まで、じっくりと見ているといつまでも見飽きない。すごいなぁ。王先生の 「自画像」 は、そうと言われないと人物とは分からないぐらいに抽象化されていて、実物や写真を素材にした絵しか描いたことのない私には一生描けないであろう種類の絵。こういう絵ってきっと、理解しようとせずに 「感じる」 ものなんだろうな。あたたかみのある茶色をベースにした色調は、全体が幾何学的な細かいパーツに分断されているにもかかわらず統一感と落ち着きがあり、静けさが漂ってくる。もしこんな絵が自分の家に飾ってあったら、なんとなく怖く感じたり、癒されるような気がしたり、観るたびにその日によって違う印象を抱くかもしれない。そんな気がした。Tさんは、これまでの展示会では和服の人形が多かったのだけれど、今回はガラリと印象が変わり、真っ白な裸体の妖精像で、鋭角的に伸びた流線型の耳とグリーンの瞳が印象的。観る角度によって表情が変わるので、あちこち動き回って立ったり座ったりしながらじっくり拝見させてもらった。田さんの工芸品は、前にも新宿で拝見したもので、木そのままのシンプルな造形にあたたかみがある。


他の展示もひととおり観たものの、小さな画廊なので30分もかからずに観終わってしまい、再び歩行者天国でにぎやかな銀座の街へ。くのやでガーゼの和柄ハンカチを買い、鳩居堂で夏らしい絵葉書を何枚か買って、銀ブラ終了。日比谷線で北千住へ。家電の量販店でワイヤレスヘッドホンを買う。こういう物があることすら知らなかった。偶然ネットで見かけて、迷わず購入することにした。というのも、夏場になると深夜ラジオの時間帯も窓を開けていることが多いから、ご近所迷惑にならないようにヘッドホンを使うのだけれど、それなりに長めのコードでもやっぱり不便で、どうにかならないものかと思っていたところだった。ワイヤレスなら、ヘッドホンをしたままトイレの中でも別の部屋でも聴けちゃう。へへっ。


くのやでもらった 「銀座百店」 を帰りの車内で読んでいたら、松尾スズキが 「たぶん歌舞伎関係者で石原良純野口健を足して八掛けにしたぐらいに濃ゆい顔をした人が一緒に飲んでいた勝村政信を気に入り、勝村の股間をぎゅーって握りながらガンガン飲んでいて …(中略)…今思い返してもやっぱりオカマの人に違いないんだけど」 と書かれていた。誰だそれ????


地元の駅に戻って手芸品店へ。実は夕べ携帯の充電をし忘れて、家を出る時点からもう電池表示が1本だった。手芸品店で割引になるモバイル会員証は携帯の画面メモで表示させる必要があるので、そのためにずっと電源をオフにしてあった。無事に割引で買い物した後、ミクシィでマイミクさんとメッセージのやりとりをしている用事があったのでモバイルミクシィにアクセスし、届いていたメッセージに返信をして、またしばらく電源オフ。予備の電池も持っているのに、その予備を持参し忘れちゃうんだからどうしようもない。


用事がひととおり済んだところで、久々にMOVIXで映画を観る。ファーストデイ割引で千円ポッキリの1日が日曜日と重なったので、チケット売場には長蛇の列。事前にネットで予約しておいてよかった。5月末封切の 「パイレーツ・オブ・カリビアン3」 も絶対観るつもりでいるのに、予約したのは封切からまだ2週間しか経っていない 「舞妓Haaaan!」。 サダヲちゃん見たさの方がジョニー・デップより勝ってしまった。約170人のシアターがほとんど満席。面白かった〜!! サダヲちゃんはもう、ただそこにいるだけでおかしい人が縦横無尽に走り回ってやりたい放題、いろんな顔を見せてくれる。堤真一は三の線もイケることは知っていたけれど、ここまではじけまくるとは、と嬉しい驚き。柴崎コウも 「どろろ」 に続くクリーンヒット。小出沙織は、どっかで見た顔、誰だっけ誰だっけ、と思いながら見ていて、時効警察の新人婦警さんだ! と分かってスッキリ。白塗りの舞妓さんもさることながら、素顔もなかなか美しい。ドラマチックなエピソードを見せてくれるのはこの3人で、主役のサダヲちゃんは3人それぞれのドラマとは無関係にただハイテンションで突っ走る。それが爽快。社長さん役の伊東四郎も 「有頂天ホテル」 と同様にはまり役。そしてなんといっても、ほんのワンシーン、なじみの舞妓とバッタリ会って会話を交わすだけのご隠居を演じる植木等が素晴らしい。「さくらん」左團次さんが演じたご隠居役も、彼が演じたらまたまったく違っていただろうと思った。だって左團次さんはまだご本人が新婚さんなぐらいで、ご隠居には若すぎるというか色気がありすぎるというか…。そこへいくと植木等のご隠居は、若い頃にさんざん遊んだであろう艶っぽい風格を感じさせつつも恬淡かつ飄々としていて粋で、それはそれはステキなご隠居さんだった。この映画が彼の遺作になったそうで、エンディングに彼に捧げる感謝のコメントが流れる。DVDが出たら買っちゃうかもしれないなぁ。そうしたら真っ先にご隠居さんの場面をもう一度観たい! パンフレットにはポスターがついていて、その裏は 「お座敷すごろく」 と遊び心満載。


観終わって出る頃にはさすがに長蛇の列はなくなっていた。その代わりに大混雑のフードコーナーで、なんとか1人分の空席を見つけて夕食を済ませ、書店をぐるりと回って出てくると、小さい女の子がユニクロの前に座り込んで泣きじゃくっていた。すぐ隣りに座って 「どうしたの?」 と話しかけると、涙でグショグショの顔を上げ、すがりつくような目でじっと見る。か、かわいい! いや、それどころじゃなかった。「迷子になっちゃった?」 ブルンブルン、と彼女は首を横に振る。「おかあさんと来たの?」 今度はコクリ。「はぐれちゃった?」 またコクリ。ふ〜む。おかあさんとはぐれちゃったのは事実だけれど、迷子になったというのは認めたくないのね。ひざこぞうに顔をうずめて泣いていたから、かわいらしいピンクのワンピースのひざの部分が涙でグショグショ。ぺたんと座り込んでしまっているし、手を引いて行こうにも私の両手は荷物でいっぱい。もともと子供が身近にいなくてどう扱っていいのか自信がないこともあり、「おかあさんを探してくれるおねえさんを呼んでくるから、ここで待っていてくれる?」 と話しかけると、また私の目をじっと見て、それからコクリとうなずいてくれた。急いで近くのインフォメーションに走り、案内係の女性と一緒に戻る。「あとはこちらで」 と案内係の女性が言うので彼女に任せ、そこからすぐのスタバへ。どうしたかなぁ、と気になっているところへ、「○○△△さんのおかあさま」 とフルネーム入りの迷子アナウンス。ちゃんと自分の名前が言えたのね。早く迎えに来てくれるといいね。


帰宅してから、前から気になりつつ完結を待っていた大和和紀の 「紅匂ふ」 全4巻をお風呂で一気に読む。ちょうど観てきたばかりの映画と重なる舞妓の世界。私の中では、「はいからさんが通る」 と 「あさきゆめみし」 に続く彼女のベストスリーに入れたい作品。もし映像化するとしたら、そのまま柴崎コウ堤真一に、「Dr.コトー」で彼女と共演している吉岡秀隆でいけちゃいそう。残念ながらサダヲちゃんの出番はなさそうだけど。


幸い仕事が落ち着いている。今月10日すぎには毎年恒例の大物が来る予定なので、それまでこの平和が続いてくれるといいなぁ〜!