まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

道端で

maru992007-03-03

とうとうお雛様を出さずに迎えた3月3日。まぁ、女の子の健やかな成長を願うものだし、十分健やかに成長したし〜。


8時半起床のつもりが1時間ほどずれ込んでしまい、腹ごしらえをする余裕もなく着付け。歌舞伎のイベントとなるとこればっかり、と思いながらも黒地に小さな隈取柄をちらした着物にどど〜んと隈取柄の白い帯。国立の初春芝居に着た時には半襟菊五郎格子にしてみたのだけれど、今日はシンプルに白レース。


慶應の歌舞研OB会が主催する年1回の 「芸談を聴く会」 も今年で15回目。私が裏方としてお手伝いをしたのはそのうち3回ぐらいかな。会の組織改変でスタッフを離れてからもう3年ぐらい。以前はホテルの小さな一室で、20人程度でこじんまりというスタイルが多かったのだけれど、組織改変後は運営組織の若返りとともにネットでも広報活動をするようになって、イベントの規模が格段に拡大している。アンケート用紙のイベントを知ったきっかけの選択肢にミクシィが含まれているなんて、以前のこの会では考えられない。


今回のゲストは4月に錦之助を襲名される中村信二郎さんなので、萬屋ご贔屓のお仲間をお誘いして、12時半に田町駅前のドトールで待ち合わせ。わずかな時間でサンドイッチをぱくつき、大学に向かう。通信過程を卒業してから何年になるのかなぁ。門をくぐるのも久しぶり。


大学院校舎についてビックリ。すごい盛況! 教室内に可能な限りつめてつめて椅子を並べてあるのにほぼ満席。ネットの力もあって若い人の姿もあちこちに。以前は私がたいてい最年少だったもんなぁ。インタビューアーは歌舞研OBのひとりでもある渡辺保さん。この会での司会は大先輩が最前列でニラミをきかせているからやりにくい、と以前笑って仰っていたけれど、大学時代の話も多くて、いかにもOB会らしい。


信二郎さんのお話からは、名前を継ぐということの大きな意義と、それをしっかりと受け止めている真摯な思いがひしひしと伝わってきた。控えめというべきか次男坊気質のゆえか(?)、「あんまり期待しないで下さいね。頑張っても頑張ってもできないことはできないんですから」 「長〜い目で見て下さい。いつかできるようになるまで頑張りますから」 と、慎ましいことをしきりに仰る。でもそこがお人柄というか、「さぁ襲名だ、頑張りますっ! 期待して下さい!」 と鼻息荒く胸をはらないところがかえって微笑ましい。


1時間ほどの対談に続いて質疑応答。でもその始めの半分ぐらいは信二郎さんと大学で同級生だった進行役にインタビューアーが代わっただけの対談のようだったし、後半の会場からの発言も質問なんかじゃなくて、ご年配のご婦人方がそれぞれに萬屋錦之助への熱い想いを語るという…。まぁ、それもこの会らしくていいか。


終了後、お仲間も私も仕事に追われているので、残念ながらお茶もできずにお別れ。プリントした訳文を持参していたので、着物のままスタバによって書類を広げる。でも土曜日の夕方だからいつも以上ににぎやかで、集中できないし長居するとお店に迷惑そうなので、1時間足らずで引き上げる。


帰宅して見直しを始めたものの、睡魔が誘惑してきてどうにも集中できない。いかんいかん、と振り払い振り払い、続けているうちに日付が変わる。もう今日はここまでかな、と区切りをつけてお風呂に入ると、あれれ、リラックスしてさらに眠くなるはずだったのに、なぜかキリリと目が冴えてしまった。眠れそうな気がまったくしないので、もったいないから仕事再開。気がつけば6時。外は明るくなり始めている。ちょっと前までこの時間もまだ真っ暗だったのに、季節は着実に移り変わっているのだねぇ。