寝るタイミングを逸してしまったので結局一睡もしないまま仕事を続け、1時半すぎに大泉学園に向かう。一番乗り。もう長いこと描き続けている水鳥の絵は、先月、王先生と鄭先生とのアドバイスが食い違ったこともあり、あちらを立てればこちらが立たずになってしまうし、私も困るし先生方もやりにくい面もあるだろうということで、私だけでなく他のメンバーも王先生の日はこの絵、鄭先生の日はこの絵、と2枚並行して描いていくことになった。素材として用意した何枚かの写真の中から1枚を選んで木炭でデッサンを始めてまもなく鄭先生がご到着。事情を説明して写真を見せると、私が選んだものよりこちらの方がいい、と先生が選んでくれたのは雲の写真。最後までそれと迷っていたので、あっさりと先生のアドバイスに従うことにして、新たにデッサンをし直す。細かいところまでデッサンする必要がない構図なのですぐに塗り始めたものの、油を極力少なくというアドバイスで、これが素人の私にはどうもうまくいかない。油が少ないと絵の具の伸びが悪くて、点描のようなタッチになる結果、ザワザワしてなめらかな質感にならない。見かねて先生が筆を取ってくれる。う〜ん、絵の具を筆にのせるところからして違う。パレットの上でのなじませ方が私は圧倒的に足りなかった。ついさっきまでざわついていた空が途端に温かみのある空間に変わり、まるで刻一刻と変化しそうな錯覚に陥るほど。すごいなぁ。もう8割方描き上がってしまったような。え? まだまだ? この完璧な空に私の手で描き足せと? まじっすか???
絵筆は案の定、教室に置き忘れてあった。でも忘れていたのはそれだけじゃなかった。夕べケーキを焼いた時、なぜか3つあるはずのパウンドケーキ型が2つしかなくて、そういえば前回もそうだったことを思い出して、「見つからないんですよぉ」 と話題にしたら、「ひょっとしてこれ?」 と I さん。しばらく前からキッチンにあって気になっていたとのこと。間違いなくウチのですぅ。お騒がせいたしました〜。
さて、「塩味のキャラメルケーキ」 はというと、これが意外な大好評で、間食する習慣がないからと普段はまったく手をつけてくれない鄭先生も塩味なのを面白がって薄めのスライスながらペロリと完食。I さんの息子さんも気に入ってくれて、もし余っているならもう少し、とおかわりを所望してくれたほど。必ずしも手間のかかるレシピが好評だとは限らないのが面白いところで、この風変わりなレシピは今後も活躍してくれそう。
終了後、I さんが予約しておいてくれた鰻のお店へ行く。老夫婦が昔からやっている小さなお店で、手作りのお内裏さまが飾られた床の間の風情とか、とても素敵な落ち着くお座敷。うな重なんて久しぶりだ〜。肝吸のお吸い物とのセットにイチゴのデザートがついて、大満足の逸品。女将さんの割烹着姿がうれしい。
いつもより早めに10時すぎに帰宅。風が冷たくてすっかり体が冷えてしまったのでお風呂でじっくり温まる。一睡もしなかった割に昼間はずっとハイテンションだったのがこの時点で一気に電池切れ。PCを起動する元気もなくベッドへ。歌舞伎に備えて早寝を決め込む。ZZZ…。