まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

裏磐梯 − 2日目

2日目もあいにくの雨〜。3人とも晴れ女なんだけどなぁ。あちこちで集中豪雨の被害があいついでいる時期だから仕方がない。3人ともマイペースで過ごすのがいいところで、午前中はまったくのフリータイム。8時に起きて朝食のバイキングに向かうと、早々に温泉に入っていらしたWさんと合流。メニューはごくごく普通で平均点というところだったけれど、レストランの壁にかけてあった大きな水彩画に2人とも目が釘付け。吹き寄せの紅葉を丹念に描いたもので、これだけ大きなキャンバスにこんなに緻密に描くなんて、いったいどれぐらい時間がかかるのだろうと思うと気が遠くなりそう。


朝食の後は予定通り、Wさんと2人でスケッチに挑戦。雨なら雨で描きたいところはいくらでもある。ホテルの外観も素敵なので玄関の部分を描きたくて、一番いいアングルは正面の車寄せの辺りだったので断念し、向かいの屋根のあるスペースにホテルの了解を得て陣取り、Wさんは水彩、私はクレパスで描き始める。そのうちに朝はゆっくりの I さんも起きていらして、雨がちょっと強くなってきたのでラウンジに避難。う〜ん、途中まではいい感じだったのに、試し描きの時と同じで黒が強すぎちゃったかなぁ。ついついデッサンの線をクッキリさせたくなって黒でなぞっては失敗しちゃうんだよなぁ。クレパスの上に水彩絵の具ってのるかしらん? もしのらなくても、新しいイラストボードで再挑戦してみたい。


スケッチが一段落したところで、I さんの車で諸橋近代美術館に向かう。ここはダリの作品を常設していて、I さんが気に入って年間フリーパスを持っているところ。広大な敷地に瀟洒な建物。池には蓮の花も咲いていた。晴れていたらここでスケッチしたいぐらいなのになぁ。中もゆったりしてて、いつまでもいたくなる空間。ダリの常設展は彫刻も絵画も充実していて素晴らしい。孔雀をモチーフにした巨大なタペストリーも圧巻。奇抜な発想の中に繊細さを感じる。緻密で正確なデッサン力があってこそ飛躍した表現ができるんだよねぇ。企画展 「拡張する絵画 − パメーラ・クルック展」 も見応えがあり、明るい作風がとても気に入った。常設展・企画展それぞれの画集と、画集に収録されていない作品の絵葉書を買う。ダリの作品でおなじみの歪んだ時計をモチーフにしたマウスパッドも買っちゃった♪


そのあとホテルに戻り、再びガラス細工に挑戦。「もう好きにやって下さい」 と先生。透明なガラスのチップは焼くとキュッとしまって、不透明なチップは逆にビヨ〜ンと伸びる性質があること、台になるガラス板の端ギリギリまでチップを置くとそのままの大きさになり、端にスペースを残すとその分は縮んで球体に近づくことを念頭に置いて、まずは不透明の黒の正方形を2枚つなげた長方形を台にして、不透明のチップだけで帯留めを作ることにした。一見 「三升」 (團十郎家の家紋) に似ている四角い渦巻きを見つけたので、迷わずそれをレイアウトの中心に据える。あとは周囲をどううめるか。夕べのような線対称でなく、ちょっと大胆にしたい。でも色がうるさいのはイヤだから、モノトーンを中心に。気に入ったチップを見つけても、それを必要な数だけ集めるのが大変。ああでもないこうでもないと施行錯誤の据えに、ほぼモノトーンのみのレイアウトに、ほんのわずかに色のあるチップをまぜてみた。ワクワク。それだけで終わらずに、グリーンのチップだけを集めたケースがあったので、ごくごくシンプルに、グリーンのガラス板に2種類のグリーンのチップをのせてみる。果たして焼き上がりは、帯留めの方は想像とかなり違う仕上がりで、想像以上にユニーク。いろんな帯に合いそう。グリーンの方はほぼ想像どおりで、こじんまりとかわいらしいネックレスになった。I さんWさんもそれぞれに素敵な作品が出来上がって、なんと3人で作っている最中の写真がホテルのHPに掲載されてしまった。こちらは3人。こちらは私ひとり! お願いしたとおりに顔はハッキリ見えないようにしてくれたのね〜。


残念だったのは、楽しい作業のさなかに仕事の依頼が入ってしまったこと。贅沢に遊んでいる最中だけにひけ目もあり、前にやった仕事の続きなのでむげに断るわけにもいかず、分量を確認すると帰ってからでもなんとかなりそうだったので、仕方なく引き受ける。ちぇっ。


2日目の夕食は洋食のフルコース。いつもは車だから飲めない I さんも今日は特別。阿武隈ワイン 「北醇」 をボトルで注文し、乾杯〜。オードブル 「海の幸のファンタジー」 に始まり、ヴィシソワーズ、真子ガレイのポワレ、牛フィレ肉のソテーにデザートまで、しっかり美味しく頂いて、またまたお腹いっぱい。このレストランからも蛍が見えて、ゴージャスな夜。


そのあとは自由行動と言いつつまた自然に3人集まって、まずはプールでひと泳ぎ。3人だけで貸切状態。30分ほどのんびり泳いでから温泉に移動すると、ここでまたガラス細工の先生と一緒になって、話がはずむ。3人ともすっかり気に入ってしまい、東京にある教室の情報に興味津々。ただでさえ忙しいのに、と思いながらも帰ったら早速調べてしまいそう。お風呂上りは今度はWさんの部屋で、またまた2時はすぎまで話し込んでしまった。部屋へ帰ってからは、書評の本もクロスワードも文庫本も持ってきたのに開くまもなく、バタンキュー。