まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

上方歌舞伎の月に、なぜ荒事?

maru992005-10-26

朝から必死に仕事をして、2時半を目前に、ようやく懸案の和訳が終了。ふぅ〜。バタバタと身支度をして、3時ちょっとに家を出る。毎月毎月こんなふうに慌しくて、ちっとも着物で歌舞伎座に行けない〜!


東京での中村鴈治郎最後の舞台だからだろうか、歌舞伎座の前にも中にもプレスがいっぱい。扇千景さんの姿はなかったけど。


この頃、涙腺が弱くなっているのかなぁ。いちばん最初の 「引き窓」 という芝居でたっぷり泣かされてしまった。いくら愛しの左團次さんが出ているとはいえ、それだけで泣けるはずもなく、なにかこう、しみじみと胸にくるものがあって、とっても気持ちよく泣けてしまった。その次は玉三郎が人形のマネをする踊りで、これもかなり感動したし、最後の芝居がまたよかった。千秋楽とあって、来春に坂田藤十郎の襲名を控えた鴈治郎の挨拶が終演後にあった。その挨拶をききながら、頭の中がグルングルン。私が歌舞伎を観始めたきっかけは事務所のレクリエーションで、口上の初体験が三代目中村鴈治郎の襲名だった。あれから15年。襲名のときと同じ 「河庄」 という芝居で、鴈治郎坂田藤十郎になる。15年前には、まさか自分がこれほど歌舞伎にはまるとは思っていなかったし、定年まで事務所にいるのだろうと考えていたし…。そういうグルングルンが一気に押し寄せてきて、また泣いてしまってもうグチャグチャ。


帰り道でもまだ余韻を引きずっていたのだけれど、家が近づいてくるにつれて、なんでこんなシアワセな気分の日にこれからまだ仕事しなくちゃいけないんやろか〜、とため息。でもそうも言っていられない。せっかく歌舞伎座へ行く前に終えた英訳の見直しをして、送信して、やっとひと区切り。でもこれからがまた大変。郵送で送られてきた書類が2つあって、1つはこれまでに何度も修正を重ねてきた書類の最終版を作る作業で、今までは翻訳不要だった添付書類を全部イチから訳すのはちょっとつらいけど、まぁとりあえず想定の範囲内。ところがもう1つの方は、せいぜい30ページぐらいのはずが60ページ以上もあって、抄訳だと言っていたのに、翻訳不要の部分はごくごくわずか。しかもフローチャートやらなんやら、やたらと細かいページもあって、通常のA4換算で80ページぐらいにはなりそう。これは全然、話が違うぞ〜! 明日早速メールで相談せねば。


あぁ、せっかくの歌舞伎の余韻が〜。