まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

父と暮らせば

maru992005-08-19

朝イチで夕べの訳文を見直しして送信。ひと息つくヒマもなく、昨日やりかけてすぐキャンセルになった案件の外国人スタッフから 「今度は絶対キャンセルにならないから」 と新しい書類が届く。1ページだけのレターの英訳だから楽勝と思いきや、もとの和文が何を言いたいやらよく分からない難物で、きっとこういう意味だろう、と推測しながら訳さざるを得なかった。それほど大きくハズレてはいないと思うけど〜。


さて、仕事がはけたからHPのデータを移行する作業の続きをやろうかな。でも20分ぐらいしか時間がとれなかったので、ほとんど進まなかった。慌しく身支度をして、ジリジリカンカンと照りつける中、私にしては珍しく、駅前のホールに映画を観に行く。宮沢りえ原田芳雄主演の 「父と暮らせば」。観たいと思いながらつい無精で機会を逸してしまった何本かの映画のひとつで、ついこの間、チラシを受け取って初めて上映会があるのを知った。原爆被爆者友の会や原水爆禁止協議会が協賛しているもので、上映の前に実際に被爆された方がステージ上で自らの体験を語ってくれた。全編ずっと広島弁で、これがとってもあたたかい。「たそがれ清兵衛」 でも 「トニー滝谷」 でも印象的な演技をしていた宮沢りえが素晴らしい。私が観たことのある彼女の作品の中では間違いなくベストだ。井上ひさし原作で、もとはこまつ座の舞台で上演されていた作品の映画化。こまつ座の公演は観ていないけれど、たとえこれから舞台で観ても違和感を持ってしまうかもしれない。それほどに宮沢りえの演技に感動を受けた。黒木和雄監督は当初、宮沢りえのことをよく知らず、起用に消極的だったそうだが、彼女が自主的に広島を訪ね、街を歩いたこと、原爆資料館で彼女を案内した人が、国内外の俳優たちがおざなりで訪ねてはくるものの、真剣に見て回り、うなづき、涙ぐんで、一日ほとんど館内にいた女優は彼女が初めてだと驚いていたことをきき、彼女への見方が変わった。しかも本読みもリハーサルもなく一発本番の撮影初日に、彼女がこれまでに演じてきた過去のすべての作品の台詞をはるかに超える膨大な長台詞を完璧に覚えてきていた。そんな彼女を前にして、原田芳雄の 「目の色が変わった」 と監督は言う。その 「本気を出した」 演技が素晴らしく、圧倒的な存在感で迫ってくる。原田芳雄を本気にさせた彼女の力量に、現場での呼び名が 「りえちゃん」 から 「宮沢さん」 に変わったという。「原爆資料館に行ったときに言葉を失った自分の心だけは忘れないようにしようと思いながら演じました。亡くなった方々、愛する人を亡くした人々が観たときに嘘だけはついていないようにしようと」 と彼女は語っている。その言葉にも感銘を受けた。会場で販売されていた岩波ホールでの上映時のパンフレットもこの作品を特集している 「シネ・フロント」 2004年7月号も読み応えがある。観てよかった。観ながら泣いて、パンフレットに収録されているシナリオを読んでまた泣いた。また観たい。何度も何度も繰り返し観たい。もっとたくさんの人に観てほしい。調べてみたら、おおっ、もうDVDが出てるじゃないか! 探してみようっと。


ホールの下の階のプールで泳ぐ。でも頭の中が観終わったばかりの映画のことでいっぱいで、手足に意識がいかないものだから、なんだかうまく泳げない。空いていたからいいようなものの、いつもよりさらにペースが遅いし、息つぎもうまくできないし、耳に水も入るし。映画のことは一時忘れて泳ぎに集中しようとするだけど、つい考えちゃうんだよね。グダグダのろのろしながら一応は40分プールにいたけど、いつものペースに換算すると半分ぐらいしか泳いでないんじゃないかな。


プロントで映画の資料を読み、帰ろうとしたところへ、仕事のメールが入る。家に着いてから書類を確認し、返信した矢先にさらにもう1件。久々の大物で、かなり時間がかかりそうだ。これぐらい日数をもらえれば、と返信したものの、すでに遅い時間だったので帰ってしまったのか、返事がない。その仕事が入るかどうかで予定がまったく変わってくるから、早く結果を知りたいぞっ。


さて、のんびりしているヒマはない。明日は久々に経堂で絵の教室があるのでケーキを焼く。6月7月とお休みだったから、その間に自習日に焼いていって好評だったプリンケーキと、昨日も作ったばかりのココナッツミルクあんのマドレーヌ。まず焼き時間の長いプリンケーキから。とってもスムーズにオーブンへ。マドレーヌの方はもう何度も焼いて慣れたから、と安心していたのだけれど、この慣れがミスにつながる。生地を型に流し始めてしばらくたってから、ふと視線を動かした先には溶かしバターが…。入れ忘れてる! 仕方なく型からボウルに生地を戻して、型に残った生地が目減りした分、バターを若干減らして加え、あとは手順どおりに焼いたんだけど、な〜んか平べったく広がってしまったわ〜。ちょっとしたミスが命取りなのよねぇ。ショック。見かけはどうあれ味の方はなんとかなっていることを願いつつ、キョンちゃんケーキを作り始める。卵と乳製品ヌキではプリンケーキは絶対無理だけど、せめてマドレーヌの方だけでも同じように、と水だけでふくらむ専用の粉でやってみた。でもやっぱりふくらみ方が違うし、バターも卵も入っていないから白っぽくなっちゃって、外見からしてまったくの別物。中のあんこは同じだから許してね〜。


昨日に続いて慌しい日だったわ〜。明日も明後日もお出かけよ〜。いつ仕事するんでしょ〜?