まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992014-07-28

午前中に請求事務を済ませ、北千住のスープストックトーキョーでブランチ。選んだのはガスパチョと冬瓜のラッサムで、両方トマトベースになっちゃったけど、冷製と熱々だし、どちらも美味しかった。

スタバで時間調整をしてから歌舞伎座へ。海老蔵左團次さんのブログを読みながら、待ち遠しさが募る一方だった。

夜の部の幕開きは猿翁十種のうち「悪太郎」。酒癖が悪くて主人を困らせてばかりいる悪太郎を右近。スッキリまとまりすぎて、あまり酔態には見えなかった。浅草で現猿之助がやった時には、観ているだけでほろ酔い加減になっちゃいそうだったのに。

修禅寺物語」の夜叉王を中車が演じる。笑三郎の桂、春猿の楓、月乃助の頼家に亀鶴の春彦と、この芝居の経験がある人ばかりの中で浮くことなくなじんでいたものの、周囲よりひと回り大きく見えてくるぐらいの存在感が必要とされる役だから、物足りなさが残ってしまった。ラストは特に、背筋が寒くなるほどの執念を感じさせてくれないと、この芝居の本質が伝わってこない…って、まだ経験の少ない彼に求めすぎか。

ここまでの不完全燃焼感を吹き飛ばしてくれたのが「天守物語」。何度も観ているけれど、やっぱり良いわー。尾上右近の亀姫が愛らしく、玉三郎の富姫とのやりとりがなんとも楽しく、猿矢の朱の盤坊が陽気に場を盛り上げる。そして海老蔵の図書之助。ブログで見せる「素」の顔とまったく別人。この芝居は海老玉じゃないと、という鉄壁のコンビだなぁ。泉鏡花の台詞のひとつひとつが粒立つ独特の世界を最前列のど真ん中でたっぷり堪能。ああ幸せ。