まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992010-11-24

8時台にシャッキリ起きて、9時半すぎの電車で東銀座に向かう。以前は歌舞伎座新橋演舞場のどちらかだけだったのに最近は東劇も加わったから、東銀座に赴く機会が格段に増えている。今日は演舞場で、吉例顔見世大歌舞伎の昼の部、通し狂言「天衣紛上野初花−河内山と直侍」。

幸四郎の河内山に菊五郎の直侍。まずこの顔ぶれが新鮮。そして上演形式。冒頭の「湯島天神境内の場」と大詰「池之端河内山妾宅の場」は初めて観た。それもそのはず、国立劇場での通し上演でも「質見世」から「入谷」までで、今回と同じ形式での上演は昭和60年12月の歌舞伎座以来、約25年ぶり。私の歌舞伎初体験の3年以上前。

金子市之丞は段四郎で、一時期ひどく痩せてしまって心配だったけれど、ほぼ元通りの快復ぶりで貫禄十分。丑松は團蔵で、菊五郎ともども音羽屋の舞台はずいぶん久しぶりな気がして、調べてみたら4月の歌舞伎座以来だった。やっぱり華があるのよねぇ。

河内山、直侍、市之丞の3人がそろって絵面で決まる二幕目の幕切れ、河内山が駕籠の覆いをはね上げてビシッと放つ決め台詞、これが不明瞭でなんと言ったのかまったく分からなかった。しっかり聴いていたはずなのになんで? と頭の中はハテナマークでいっぱい。その間に幕が閉まり、後ろの席から「ねぇ、最後なんて言ってた?」「私も分からなかった」という声。だよね、だよね。私だけじゃなかった。筋書きによると「星が飛んだか」と言ったはずなんだけど、そんなふうには聞こえなかったなぁ。

錦之助の殿様がいかにも短気でわがままそうで、苦言に対しての苦々しい表情も良かった。三千歳は時蔵で、花魁のそばでかいがいしく立ち働く新造役の芝のぶクンがいい。「入谷」では田之助さんの丈賀がごちそう。捕物の前に市之丞が三千歳の実兄と分かる場面がつく。大詰では、縄にかかる覚悟を決めた河内山と直侍の二人が捕手を尻目に悠然と酒を酌み交わす様子が痛快。

こういう形での上演はとても意義があると思うし見ごたえもあったのだけれど、「松江邸書院の場」だけはどうしてもだれるというか、集中力がとぎれてしまう。これは今回に限ったことではなく、毎回そうなんだよねぇ。

終演後、携帯電話の電源を入れたら、先日終わったはずの英訳に対する修正依頼のメールが届いていた。急いで帰宅してすぐに作業スタート。コンブリオを聴きながら、約2時間で作業終了。よしよし。

明日も歌舞伎。今度は夜の部♪