まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992009-12-24

イブイブの映画に続いて、イブの今日は歌舞伎座昼の部。そのために夕べは、このみさんのデイブレイクもあきらめて早めにベッドに入ったというのに、案の定なかなか寝付けず、気がつけば5時すぎ。どうせ眠れないのならデイブレイクを聴けばよかった!

「操り三番叟」でおめでたい幕開き。千歳は鶴松君。白塗りのせいか、すぐには誰だか分からなかった。獅童の翁。この人ほとんどまばたきをしない。三番叟の操り人形を使う後見の役が松也で、その補助が勘太郎? じゃあ人形は染五郎? と思いながら見ていたら、箱の中から出てきた人形が勘太郎だったのでビックリ。勘太郎によく似て見えたのは、いてうさんらしい。操りの糸が引っかかったり、切って結び直したり、と楽しい踊りで、飛び跳ねる場面では滞空時間が長く、ダイナミック。

「野崎村」はねぇ…。ため息が出ちゃう。関西風のつくりにしたという孝太郎のお染は、帯の結び目の上にフリルのついたケープのような飾りがついた装いで、大店の娘らしくかわいらしい。弥十郎の久作は慈愛にあふれ、秀調の後室は手堅い。問題は福助のお光と橋之助の久松で、どちらも納得はできなかった。ラストであんなに号泣するお光なんて見たことがない。

「身替座禅」は、勘三郎の右京に三津五郎の玉ノ井、染五郎の太郎冠者に巳之助・新悟の千枝・小枝という配役で、十分に楽しませてもらった。

そして「大江戸りびんぐでっど」。筋書きにのっていた宮藤官九郎の「演出家のことば」が面白くて、ちょっと期待が高まった。「歌舞伎かどうかは分からない」と率直に書いている。でももう、今の時代は歌舞伎かどうかなんて問題にならない気がする。こんなの歌舞伎ではないと否定しようにも、歌舞伎とはなんぞやという問いに対する明確な答えはないのだから。良くも悪くもクドカンワールドで、大人計画でやってもきっとすごくウケるのだろうと思った。かなり強引すぎる場面や無駄に騒々しいと感じる場面が少なくなかったものの、面白いことは面白い。ただ、いかんせんゾンビたちの見た目がおどろおどろしく、最初から最後までゾンビだらけで、ホラーやスプラッタ系が好きじゃないからどうにも。古典歌舞伎にも陰惨な場面はたくさんあるし、血が流れる殺し場こそが見ものの芝居も少なくない。でも最後は役者の美しい姿を見せて終わるのがお約束で、それは後味の良さにもつながる工夫なのだと思う。ゾンビのような奇抜な発想に頼らなくても面白い本が書ける人だと思うんだけどなぁ。

帰宅後は Ottava を聴きながら、またしばしタティングレース。はまると長いのよ〜。こんなことしてるヒマがあったら大掃除しろよ、って頭の中で声がするんだけどぉ。