まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

オーラス

maru992008-10-26

まさに怒濤のようだった芝居三昧も今日でいよいよオーラス。いつものように2日に分ける余裕がなく、歌舞伎座千秋楽を久々に昼夜通しで観ることになったので、昼の部の11時開演から夜の部の9時すぎ終演までの長丁場。


昼の部最初の 『恋女房染分手綱』 という母子もので、何度か観ているはずなのだけれど、注意が足りなかったのかはたまた意識が飛んでいたのか、主人公の重の井不義のかどでお手討になるところを実父が申し訳に切腹したので命を助かり乳母として奉公を続けることになったという大事な伏線をこれまで知らずにいた。そういうことだったのね〜。


ただでさえ疲労がたまっているところへ今日1日で踊りが3つもあるのはなかなかに厳しい。その最初は松緑の 『奴道成寺』 で、ロボットみたいな化粧にビックリ。烏帽子をとって眉が見えたら多少は違和感がやわらいだものの、諸先輩方がたくさんいるのに誰も何にも言わないのかなぁ。2つめは昼の部最後の 『藤娘』。芝翫の傘寿記念なのだが、隣のカップルが何度も 「カサジュ」 と口にしていた。他にも誰は誰の息子だとかいかにも詳しいかのように話している内容が間違いばかりで、「違うってば!」 と言いたくなるのを抑えるのが大変。3つめの踊りは夜の部キリの 『英執着獅子』 で、千秋楽とあって福助が最後の毛振りでブルンブルンと振ること振ること。途中から数えても60回を超えていた。その奮闘に客席が拍手で応える。幕切れにふさわしい盛り上がり。


他には菊五郎が主演の芝居が2つ。昼の部の 『魚屋宗五郎』 と夜の部では通称 「直侍」。玉三郎のおはまが初役とは意外。左團次さんのご家老様にうっとり♪ 田之助さんの丈賀が嬉しい。得がたい味わいなのよねぇ。


玉三郎がメインの芝居は夜の部初めの 「十種香/奥庭」。右近が狐を遣い、兜が飾られている祭壇に飛び込むことで兜に狐の霊力が宿ったことがよく分かり、その狐が幕切れに再び現れ、姫を先導する形で花道を駆け抜けていく。この演出、すごくいいと思う。


感想が順不同になってしまったけれど、ところどころ意識を失いながらもしっかり堪能。まっすぐ帰宅し、気合を入れて仕事をスタート。午前2時を回ったところで、66ページの裁判書類の英訳がひととおり終了! 頑張りました〜。お風呂を済ませて、今日は素直にリタイヤ。ひとまず達成感☆彡