まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

かぼちゃかぼちゃ

maru992007-09-30

(いつもよりさらに長いです … スミマセン)


さあ、いよいよ年に一度のアルパ発表会当日。集合は9時だけど、ギリギリに着くとリハーサル前のチューニングが間に合わなくて焦ってしまうおそれがあるので早めに着くように、7時10分の電車に乗るつもりで、アラームは5時半にセット。例によってあれこれ考えてしまってなかなか寝付けなかったけれど、それでもなんとか1時前には寝付いたらしい。パチッと目が覚め、アラームが鳴っていないので不安になって枕元の時計を見たら、4時50分。あと40分〜。ええい、起きちゃえ。


窓の外が暗い。なんとなくイヤな音もしているような…。ウソでしょ? 見えない目でメガネを探り当て、ベランダに出てみる。ありゃ〜降ってる! 雨だけはカンベンしてほしいと思っていたのに〜! とてもやみそうにない空を恨めしく見上げる。


雨となると夕べ済ませた支度では間に合わない。アルパのカバーは布製なので、雨よけになるビニールを探す。でもアルパをそっくり包めるような大きなビニールなんてないから、大きめの袋2枚で両端から、もう1枚は袋を裂いて真ん中に肩にかけるベルトの部分を通して横からかぶせ、なんとか全体を包むことができそう。包んでしまったらもう弾けないので、とりあえず確認だけして、バッグもビニールのものに代えて中身をそっくり移動。アルパの他に着替え一式を持つ余裕はとてもないので、ステージ衣裳の上に着るつもりでいた薄手のコートもレインコートに変更。これで準備はなんとかなりそう。やっぱり出かける前に少しでも弾かないと落ち着かない。本番のつもりで弾いてみる。悪くない。いや、きっと大丈夫。よし、いざ出陣! 普段なら駅まで15分あれば余裕だけれど、大きなアルパを抱えて、しかも雨となるとかなり難儀になりそうだし、そもそも気持ちがもうそわそわしてしまっているので、6時40分には家を出た。


8時20分頃に国立の駅に到着。会場の国立楽器はまだ開いてなくてしばらく待つことになったけれど、すでに他の方もいらしていたので、オシャベリしていればあっという間。8時半をすぎると続々と集まってきて、ロビーのあちこちでチューニングが始まり、そのうちみんなそれぞれの曲を練習し始めてにぎやか。今まではこの時点でもう発表会ならではの雰囲気に飲み込まれてしまい緊張し始めていたのだけれど、今回はわりと平気。ほどなく先生もいらして、スケジュールや入退場その他の説明があり、リハーサル開始までのわずかな時間もひたすら練習。ちゃんと弾ける。大丈夫。今回はきっと大丈夫。指がふるえてもなんとか弾ける。きっと弾ける。自分に無理やり言い聞かせるというのでなく、本当にそう思った。絶対いけると思ったの。この時点では。


今年は一部の6番目だから、順番を待つ間に緊張が高まることもそれほどなくて、実際にステージに上がる時点までリラックスできていた。ステージにずらりと並んだアルパの中から自分の楽器を持ってセンターへ。一礼して椅子に座り、アルパを構え、さあ頑張るぞ! と気合を入れて、弾き始める。果たして結果は? ダメダメのボロボロ。あうう〜。どうしてさっきまで弾けていたところが弾けないの?! リハーサルはまだ続くのに、そのまま自分のアルパを抱えて練習室へ直行。再び弾いてみる。ちゃんと弾ける。ちゃんと弾けるのに〜っ!


リハーサルを終えた人が次々に練習室に集まり、ほぼ満杯。正午に一度集合してお弁当を受け取り昼食タイム。でもあまりのどを通らない。1時すぎに再び集合し、ステージ上で記念撮影。今年のカメラマンは私の古くからの知り合い。華やかなパラグアイの民族衣裳に着替えた人も多く、色とりどり。撮影終了後に練習室に戻り最後の練習。ちゃんと弾けてる。やっぱり指がふるえることはリハーサルでよく分かったから、本番では少しはマシに弾けるはず…。そうであってほしいと願いつつ、ステージ上にアルパをセッティングして、2時には開場。いよいよ発表会が始まる。スタートから自分の順番まではリハーサルと同じで、あまり緊張はしていない … つもりだった。少なくとも胸がドキドキするようなことはないし、気持ちは前向き。きっと大丈夫。リハーサルの時と同様に、この時点でも本当にそう思っていた。リハーサルよりはきちんと弾けるはずだって。名前が呼ばれる。カーテンを開き、一礼してステージへ。さあいよいよだ!


イントロでひとつ音をはずした。ううう。いや、気にしない気にしない。次のフレーズはそれなりに弾けた。大丈夫大丈夫。曲の山場に難しいフレーズが入る。その箇所が近づいてくる。途端に指がふるえ始める。えええ、なぜ〜っ?! せっかくの山場なのにメロディーがつながらなかった。く〜っ! あとはもうブルブルふるえる指との闘い。何度もリフレインするフレーズは比較的スムーズに乗り切れるのに、山場のところだけはどうしてもうまく弾けず、ブチブチとメロディーが途切れてしまう情けない状態からとうとう持ち直すことができないまま、あえなく玉砕。リハーサルよりひどい出来。ああ、もう泣きそう。


唇をかみしめながら楽屋に戻ると、ギタリストの方がにっこり笑顔で迎えてくれて、思わず笑顔を返したら、それがよかったのか、なんとか泣かずにすんだ。大きく深呼吸をひとつ。そしたらなんだかふっきれた。やっぱりダメなんだ、私。今回は早々に曲を決めて、今までの発表会の中でも一番練習量が多かった。それでもやっぱりダメだった。本番に強い人と弱い人がいて、私は弱いんだから、どんなに練習してもダメなものはダメ。それが今回よ〜く分かった。… こう書くととってもネガティブなようだけれど、決してそうではなく、今までのやり方ではダメなんだ、ということ。今日だって、最初から最後までずっと弾けなかったわけじゃない。それなりに弾ける部分もあった。弾けなかったところは難易度の高い分、そのフレーズの直前には他より早く指の準備をしてしっかり弾けるように重点的に練習をしたところだった。でも本番では、ふるえた指でなんとか弾き続けるのがやっとの状態だから、先へ先へと指の準備をする余裕などまったくなくて、その結果、指の移動が間に合わなくて弾けなかった。結局、練習の段階で 「ここは難易度が高い苦手なところ」 という意識がある箇所は本番では絶対弾けないんだと思う。私の場合、曲を決めたあとに先生のお許しを得て自由にアレンジを変更するのだけれど、なまじ大好きで思い入れの強い曲を選ぶものだから、アレンジもつい凝ったものになりがちで、練習でなんとか弾けていればそのままのアレンジで挑戦し、結果的に玉砕。何年か前に号泣することになった Over the Rainbow と同じパターン。練習で弾けるレベルではなく、本番のふるえる指でも弾ける程度にレベルダウンしないと無理なのよね。Over the Rainbow で学んだはずだったのに、またも無謀な挑戦をしてしまった。


あともうひとつ。今回の参加者22人のうち、ソロで弾いたのは私だけ! あとはみんな、ギターかアルパの伴奏付 (アルパでの伴奏は、とってもキレイな装飾音の補助が入る … と言えばいいのかな。うまく説明できない〜) だった。伴奏があると、危なくなったらとにかくメロディラインだけ死守すれば曲がつながる。音がまったくなくなることがないから、間違えてもそれほど目立たない。でもソロはそうはいかない。私はいつもアレンジをいじくり回してしまうこともあって、これまでもソロのことが多かった。ただでさえ技術が追いつかないというのに、あまりにも無謀だったと今さらながら思った次第。なので来年からはもう絶対ソロはやらないっ!!


玉砕したとはいえ、早々に自分の番が終わってしまえばあとは天国。Over the Rainbow の時のようにいつまでも引きずることはなく、サバサバした気分で他の人の演奏を楽しむ。リハーサルでは早々に練習室に直行してしまって他の人のをまったく聴いていなかったから、とても新鮮。みんなうまいなぁ。あんなふうに弾けたらいいのになぁ。


全員の演奏が終わった後は、短い休憩をはさんで、先生とギタリストの方のコンサート。オリジナル曲もまじえたギターソロもアルパとの合奏もとても素晴らしかった。いつまでも聴いていたかった〜!


会場の撤収も済ませたらあとは打ち上げ。雨はとうとうやむことなく、この時点でもまだ降っていたので、I さんが帰りもこの雨の中をアルパを運ぶのは大変だから自分の車で持ち帰って近日中に私の自宅に届けて下さると仰る。近所ならともかくわざわざ届けて頂くなんてあまりにも申し訳ないと思いながらも、実は右肩がすでにメリメリ痛んでいたので、届けて頂いた後に必ず夕食をごちそうさせて頂く約束をとりつけてお言葉に甘えることにして、お母様が入院中の病院に向かう I さんを見送り、打ち上げのお店へ。


ギタリストの方やカメラマン氏をまじえて総勢14人 … だったと思う。お疲れさま〜! と乾杯であおるビールが美味しい。今まで入ったことのない店で、沖縄風だったりベトナム風だったりとエキゾチックな料理がどれも美味しかった。9時すぎまでワイワイと盛り上がり、車のカメラマン氏と駅で別れ、千葉へ帰るお仲間と中央線でお茶の水までご一緒に。千代田線に乗り換えてからは混雑がひどく、アルパを持ち帰っていたら大変なことになっていただろうと、あらためて I さんに感謝。思いがけず途中で座れ、わずかな時間に爆睡。降りる駅でパチリと目が覚めた。


お風呂でじっくり温まりながら、もうちょっとうまく弾けると思ったのになぁ、とやっぱり考えてしまったけれど、どちらかというと 「やっちまったぜ」 と開き直った感じで、それほど落ち込むことはなかった。来年はアレンジを無理せず伴奏付で! そう決めたのがよかったのかな。… あっ! デジカメ持っていったのに1枚も撮ってない! それどころじゃなかったからなぁ。せめて打ち上げの料理の写真ぐらいは撮ればよかったなぁ。


バタンQでベッドへ。でもまだテンションが下がらないのか、なかなか寝付けなくて困った。でもまぁ、とにかく終わった終わった!!