ムシムシ暑くて9時前に目が覚めた。洗濯だのなんだのを済ませ、バタバタと身支度をして、カンカン照りの中、国立劇場に向かう。
半蔵門に着いて、前を行くのは、あら、左字郎さん。左團次さんのお弟子さんで、思わず声をかけたくなってしまうけれど、左字郎さんの方は私のことなんてぜ〜んぜん知らないからそうもいかない。おとなしくついて行こうとしたら、左字郎さん、ゆっくりゆっくり歩いていたので、ガマンできずに追い越してしまった。ごめんあそばせ〜。
歌舞伎音楽研修修了生を中心とする 「音の会 (ねのかい)」 開演は12時。30分ほど前に到着し、受付でチケットを受け取る。演劇界の編集部が手配してくれたチケットには、パンフレットと写真も3枚ついていた。そう、今日はただ観るだけでなく、あとで劇評を書かなければならない。そう考えるだけで緊張しちゃうなぁ。「いい席じゃなくて申し訳ない」 と事前に言われていたチケットは、なるほど後ろから2列目の右端近く。たまたま隣りの席だった女性とその友人らしいカップルの会話がもれ聞こえてきたところによると、「梅之芝居日記」 というブログで貴重な情報をこまめに配信してくれている中村梅之さんの関係者 … というか、ひょっとしたら奥様だったのではないかと。
そういえば食事をどうするかまったく考えていなかったな。売店に並ぶと、お弁当のメニューが増えているような。でもなぜか、あれこれ迷っても最終的には決まって 「おにぎり弁当」 になっちゃう。一番人気なんだって。
長唄2曲はいずれも聴き応えがあり、続いて 「仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の場」。左字郎くん、力弥なのね。歌舞伎を観始めて20年余り。忠臣蔵もどれだけ観たか分からないのに、初めて観る場面があってビックリ。上演中の暗い場内で、感じたまま、思ったままを筋書の余白に書き込んでおく。というのも、この公演だけを観てすぐに劇評を書くわけではなく、今月下旬の 「稚魚の会・歌舞伎会合同公演」 も観てから合わせて書くことになっているので、今日の舞台から受け取ったものを忘れてしまわないように。
でもなぁ … と、半蔵門までの途中にあるカフェでたくさん書き込んだ筋書を見ながら、不安にかられる。本当に書けるのか? 書評だって感想文の域を越えることが最後までできなかったのに。もう引き受けちゃった以上、今さらグダグダ言っても仕方ないんだけどぉ。
国立劇場がすごく冷房が効いていたのに、カフェでもさらに冷えてしまい、ホットコーヒーぐらいじゃ温まりきれないまま、帰りの電車がまた冷え冷えで、どうやらお腹をこわしてしまったみたい。幸い夜は風が出てきたので、エアコンなしで過ごせるものの、体調管理の難しい季節だわ〜。