い、いかん! 8時に目覚ましをセットしたのに9時過ぎまで寝てしまった。のんきに寝てる場合じゃないのに〜!
まずは昨日ひととおり終わった和訳の見直し。金融商品は次々に新しいスキームが出てきて、まだ日本で定着していないものも多いから、グーグルで検索しても訳語がヒットしない場合が少なくない。最近はカタカナのまま使用される用語が多いとはいえ、まだ定着するに至っていない用語となると、カタカナにすべきか無理やり意味だけでも伝わるように日本語に置き換えるか、悩むところなのよね〜。そんなこんなで、和訳しながらそれなりに調べたつもりの用語でもまた調べ直したりするので思ったより時間がかかってしまい、3時すぎにようやく送信。その途端、まさに 「送信」 をクリックした瞬間に電話が鳴り、新件を依頼される。まるで前の案件が終わるまでどこかで隠れて見ていたんじゃないかと思うぐらい。明日までの急ぎで8ページ。ううう。34ページの案件が見積の段階でストップしていて、まだゴーサインが出ていないんだよなぁ。でも、もともと今送ったばかりの案件が明日までだったんだから、明日までの急ぎならその続きだと思えばいいか。てことで引き受ける。ほどなく受信したメールがその書類かと思いきや、34ページの方の依頼者からで、そのうち9ページだけ先にくれたら、残りは当初の今月中でなく、GW明けでいいとのこと。ラッキーなのかアンラッキーなのか判断できない〜。2つの依頼先との間で同時進行で何度もメールをやりとりし、もう頭の中がこんがらがっちゃいそう。
とりあえず明日までの分にとりかかったものの、ようやく最初の定義条項だけ終わったところでタイムリミット。6時ちょっと前の電車で関内に向かう。西日暮里から京浜東北線で1時間近くかかるのに、急いで支度をしたから時間をつぶせるものがジャパンタイムズしかない。書評の本を持ってくるんだったなぁ。
関内ホールにて7時半から、「マリアーノ・ゴンザレス パラグアイアン・ハープ・コンサート 2006年春 with デュエット・エスペランサ」。デュエット・エスペランサというのはアルパの先生がご主人のガブリエルさんと一緒に活動する時のユニット名で、マリアーノさんはガブリエルさんのお兄さん。第一部はマリアーノさんのソロで、第二部では3人の合奏。アルパは本来、半音のない楽器なのだけれど、マリアーノさんは独自にレバー付のアルパを開発された方で、1本1本の弦の糸巻き部分にレバーがついていて、演奏しながらレバーを操作することで半音が出る。演奏しながら上の方の糸巻きに手を伸ばすわけだから、その分、手の動きが大きくなって演奏しにくいはずなのに、そんなふうには全然見えない。それどころか、マリアーノさんの指の動きといったら、もう実にめまぐるしくて、前から2列目の正面で身を乗り出してじっくり見ていても目で追いきれずに、見ているだけで目が回り、自分の指がつっちゃいそう。常にすべての指が動いている中で、どの指が弦にさわっているのかも判別できないぐらい。CDは聴いていても演奏しているところを目にするのは初めてで、いやぁ、ビックリ。
第二部がまたすごかった。ガブリエルさんのアルパ歴が25年だから、マリアーノさんはおそらくもっと長くて、それなのに兄弟で一緒に演奏するのは今回がなんと初めてだそうな。さらに先生も加わって3人で演奏することがとても嬉しい、とマリアーノさんは語り、ガブリエルさんも普段のコンサートでは見せないような表情をしていた。3人3様、それぞれに音色がまったく違う。それが合奏になると、素晴らしい相乗効果になる。1人がギターに回りアルパ2台の演奏というパターンも3通り。なんかもう、とんでもなくすごい出来事を間近で目にし、耳にしている感動に、鳥肌が立ってしまった。こんな小さなホールで、しかも満席じゃないなんて、とてもとても、もったいな〜い!!! ユーモアたっぷりのマリアーノさんのお人柄にも魅了され、まさに至福のひととき。アルパってすごい楽器だなぁ、とあらためて思うと同時に、ウチのアルパだって本来はもっともっと素晴らしい音色を出せる実力があるのに、私の技量が拙いばかりにその実力を発揮させてあげられないのが不憫になってしまった。
9時すぎの終演で、帰宅はほぼ11時。すぐに仕事を再開し、明日までの8ページを3時までかかってひととおり訳し終える。この案件だけなら明日の朝までというわけじゃないんだからそんなに急がなくてもいいんだけど、後があるからねぇ。今日だけで2件の依頼を断らざるを得なかった。このところの忙しさは単に遊びの予定を入れすぎているせいなんだけど、依頼の多さも尋常ではない。じわじわと依頼先が増えてしまっているからなぁ。でも去年は確か5月はまるまる、まったく依頼がなかったんだよね。どこからも。てことは、この怒涛のような翻訳需要は短期のトレンドなのかしらん。