ピンポンと1階のチャイムが鳴り、生協の宅配のオニイサン。玄関でお迎えすると、着物のお店の担当さんがご一緒だった。ご主人が急逝されてまだ数ヶ月しか経っていない彼女は、お店を辞め、介護ヘルパーの勉強を始めることにしたという。そうきいて思わず、「ぴったり〜!」 と言ってしまった。常に穏やかで優しく、気配りの行き届いた彼女にお世話してもらったら、患者さんもさぞ気持ちが楽になるだろうと思う。彼女が私にと持ってきてくれたのが写真の手織り機。機織を仕事にしていた時期もあるお姑さんがふさぎがちだった時、昔を思い出して元気になってくれれば、と亡くなったご主人が手織り機を贈ろうとしたところ、本格的な織機を扱っていたお姑さんには物足りなかったのか興味を示さず、長く押入れにしまい込んであったそうで、いろんな手芸に手を出している私なら活用できるんじゃないかと、わざわざ運んできてくれたのだった。ご主人が組み立てる途中で挫折してしまい、未完成だそうだが、解説書も一緒にくれたので何とかなるかな。手織りって前からやってみたかったんだぁ。でもすっごくはまりそうで敬遠していた部分もある。時間ができたら挑戦してみようっと。彼女は自宅がご近所なので、これまでも街中でばったり会うことが多かったから、サヨナラではなく、「これからもどうぞよろしく」 とご挨拶。「主人にほめてもらえるように頑張らないと」 と微笑む彼女に心からのエールを!
新聞記事の英訳を終え、送信した時にはすでに夕方。明日は油絵の自習日なので、ケーキの材料を買いに行く。モチーフをあしらったカーディガンを編み始めたばかりなので、毛糸と鈎針を持参して、プロントで何枚か編んでたら、バイト君が 「また編んでるんっすかぁ? はまるタイプですよね〜」 うん、そうなのよ。「バレンタインのプレゼントとか?」 はぁ? そういえば手芸店でも書店でも、彼氏に贈るセーターやマフラーの本が並んでいるねぇ。でもまったくの無関係。というかバレンタインそのものともう何年も無関係〜。
さて、いよいよシフォンケーキ初挑戦。今までなんとなく避けてきたのは自信がなかったからで、いきなり教室の分を作るのはリスクが大きいから、3人だけの自習日用に試してみることにしたんである。手順は意外と簡単。型にバターを塗ったりシートを貼ったりするとふくらまないんだそうな。ふむふむ。卵黄の生地とメレンゲを合わせるんだけど、メレンゲを作ってからそのまま卵黄の生地に移れば泡立て器を途中で洗う必要がない、とレシピにしっかり書いてある。親切な本だわ〜。ただ、別の本によると、生地とメレンゲを合わせる時、ムラがあると膨張率に違いがあるので穴があいてしまうおそれがあり、混ぜすぎるとポソポソしてしまうそうな。じゃあどういう状態になるまで混ぜればいいかは書いてない。そんな無責任な。とりあえず生地のクリーム色とメレンゲの白とが区別できなくなるまで混ぜて、いざオーブンへ。40〜50分焼く間にこわいぐらいにふくらむ。ウチのオーブンではギリギリの大きさで、それよりふくらむと上の電熱線にくっついちゃうよ〜、とハラハラしちゃった。それがオーブンから出す時には型より1〜2センチ盛り上がってる程度までへこんでしまった。これが果たして成功なのか失敗なのか、初めてだから判断できない。とりあえず型の中心の穴に瓶を通して逆さに立てて冷ます。うまく焼けているといいなぁ。
いつもなら焼き時間にはアルパの練習をするのだけれど、珍しくここ数日アルパにまったくさわっていない。忙しかったのもあるけど、空き時間にはついつい編み物をしていたので…。これだからはまる性格は危険なのよねぇ。