いくら大好きな歌舞伎でも連日の観劇でさすがに疲れたのか、夕べは踊りの幕で何度か意識不明になったので、幸い今日は夜の部だから、目覚ましをセットしないで心ゆくまで爆睡。9時前に目が覚めたけどすぐにまた寝てしまい、次に目が覚めたのは昼近くだった。歌舞伎三昧の上に寝倒すなんてとんでもないわ〜。若干の罪悪感を抱きつつケータイを見ると、あらら、仕事のメールが。しかもPCへのメールに返信がないからとケータイにも。やばっ。急いでPCをオンして書類をチェック。添付ファイルは3つもあったけど、幸いどれも変更箇所のみの作業で、そのうち1つは明日中にほしいという依頼。歌舞伎三昧も今日までだから大丈夫。いいタイミングで来てくれたわ〜。早速OKの返事をする。
さて顔を洗って、と思ったところへ電話が鳴る。もとの事務所の新しい事務長さんから。そうそう、夕べ帰ったら留守電にメッセージがあって、朝イチでかけるつもりでいたのに寝過ごしちゃった。いかんいかん。何の用かと思ったら、私が他の事務所宛てに投函したはずの請求書が彼女の手元に届いているという。ひゃ〜っ! やってもうた〜! アドレスシールを間違えたらしい。「新しい封筒で正しいアドレスに送っておこうか?」 という親切な申し出に、破棄してくれるようにお願いして重々お詫びする。事務長が親しくしてもらっている先輩に代わってからでよかった〜。気をつけないといけないなぁ。それぞれに違うレートがしっかり書いてあるんだもの。
今日は贅沢にも最前列のちょっと上手寄り。こんないい席だったら着物の用意をしておくんだったなぁ、と思ったけどすでに遅し。時間の余裕がないとまだ着付けが間に合わないんだもん。鳴神上人の三津五郎や土蜘蛛の吉右衛門が上手で決まる場面でまさに真正面。緊張しちゃった。最後の芝居は幸四郎の世話物で、珍しく染五郎に対して 「ちょっといい男だと思って」 と入れ台詞があった。好きな芝居だし、脇もいい。でも入っていけない。苦手な役者なんていない方がどの舞台も楽しめるのになぁ。観ながらずっと考えていた。私はどうしてこんなにもこの優が苦手なんだろうかと。江戸の町人というのがそもそもニンにないというのもある。愛嬌が足りないというのも大いにある。むしろ五郎蔵のように相手を付けまわして闇討ちにしようとするぐらいの執念深い役の方が似合う人なんだよねぇ。歌舞伎三昧の最後の最後をこの人の舞台にしてしまったのは失敗だったわ〜。
右隣りはおばあちゃま。大島をさりげなく着崩していらして、座席で正座をしても後ろの人に迷惑にならないような小柄な方。時々大きなゲップをするのはいただけなかったけど、私もこのぐらいの年齢になっても歌舞伎座通いをしたいなぁ、とほほえましく思った。ただ、もったいないことに、総絞りの羽織の裾がほつれてしまっていた。最前列でもオペラグラスを使っていたぐらいだから、ほつれが見えていないのかもしれない。ソーイングセットの持ち合わせがあったら縫ってあげたかったなぁ。
さて、都内4座の初春芝居を総なめにして、ベストワンは、芝居の見ごたえでいえば浅草の 「梅忠」、初春らしい芝居らしさでいえば国立の 「ご贔屓勧進帳」、配役の楽しさでいえば演舞場の 「文七元結」。おおもとの歌舞伎座の芝居が入っていないっていうのはどうなんだろうか〜。舞台写真も、歌舞伎座と演舞場で売っていたけど、今月はとうとう1枚もほしいのがなかった。構図のいいのがほしいのに、ただ棒立ちの写真が多すぎるんだもの。カメラマンが変わったのかなぁ?
帰ってから仕事を始める。大変そうなら夜なべするつもりだったけど、これなら明日中に余裕で終わりそうなので、様子見だけで、1時間で終了。今日は芝居の余韻を楽しみながらお風呂に入って寝ちゃおうっと♪