まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

ライブのはずが…

maru992005-01-09

明日の夜に浅草で新年会をすることになり、フグが美味しそうなお店を選んで予約の電話を入れたら、あいにく祝祭日は休業とのつれない返事。フグがメインではないけどフグのほかにクジラなんかもある本店の方に電話したら、夕方からの営業らしくつながらない。予約できなかったらどうしよう〜と冷や汗をかきつつ、とにかく夕方まで待つしかない。

急ぎの仕事もないので、シチューを煮込んだりなんかしてみる。午後には読書。自宅のお風呂場以外で文庫本を読むのは久しぶり。読み終えたのは、ロシア語同時通訳の米原万里さんのエッセイ 「ガセネッタ&シモネッタ」。面白かった〜。通訳と翻訳という違いこそあれ、語学に対する興味は共通している。また、専門校時代にサイマル方式の同時通訳の研修をほんの1〜2時間受けたことがあり、そのわずかな体験だけでもこの本の理解がさらに深まる。その研修は今でも忘れがたい貴重な経験だった。耳から入ってくる英文を日本語にして発声している間に続きの英文を耳から入れてその訳文を考えなくてはならず、訳すことに気をとられると耳からのインプットが入ってこない。ヒヤリングに集中しようとすると口から言葉が出なくなる。耳からの情報を頭に送りながら、その前の情報を頭の中で加工して口へと発信しなくてはならない。これはとんでもない作業だった。頭の中はまさにパニック。最初の英文を訳すのがやっとで、次の英文などまったく耳に入ってこなかった。同時通訳でなくとも、通訳という仕事はその場で決着をつけなければならない。分からない単語があろうと、とにかく意味を伝えなければならない。その点、翻訳は納得がいくまで調べることができるわけで、性格的に私には翻訳の方が絶対的に向いている。同時通訳の現場でのエピソードを読めば読むほどそう思う。

目がテンになったのは、聖母マリア処女懐胎というのは誤訳の産物だという話。ヘブライ語の原典では単に婚姻外で産んだと書かれていたのに、ラテン語圏には婚姻外での出産という概念がなかったために、ラテン語に翻訳する際に飛躍してしまったらしい。こういう話、大好きだ。

目当ての店は5時開店だから仕込が始まっているかも、と2時半頃に電話をして、無事に予約完了。メンバーにメールをして、今日のいちばん大事な任務は終了。

5時から健佐さんの駅前初ライブがあるので、早めに泳ぎに行って、寒空でのライブに備えて厚着で5時半頃に行ってみたけど誰もいない。ものすごい強風だから中止になっちゃったんだろうな。残念。そのままプロントに直行して小1時間経った頃、携帯の着信に気がついた。健佐さんと常連さんがデニーズにいるとのこと。じゃあ新年のご挨拶に、と合流し、そのあと8時過ぎに居酒屋に場所を移して新年会とあいなった。途中からさらにメンバーがふえ、最終的には計6人で、お開きはなんと2時過ぎ。夕べに続いて思わぬ展開。焼酎のボトルを頼んだせいか、6人で6時間もいてお会計は6900円。安っ!

ガセネッタ&(と)シモネッタ