まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

国立劇場

来年10月には閉場してしまい、2029年までの長きにわたる建て替え工事が予定されている国立劇場で、音羽屋の初春芝居。これまでずっと恒例だったのに、来年からしばらくないと思うと寂しい。

「遠山桜天保日記」と題する通し狂言で、副題は「歌舞伎の恩人・遠山の金さん」。水野忠邦による締め付けが厳しい時代に、庶民の生活に馴染み、芝居小屋の取り潰しを撤回させる働きかけを行った遠山金四郎菊五郎が演じる。

菊五郎、菊之介、丑之助・眞秀の三代、楽膳、彦三郎・亀蔵、亀三郎の三代、時蔵、梅枝・萬太郎、大晴の三代が揃い、松緑・團子も父子で出演。他に右近、権十郎片岡亀蔵、そして左團次さん ♪ ロビーには菊五郎夫人の富司純子さんと寺島しのぶさんも和服で並んでいらして華やか。左團次さんの番頭さんにご挨拶したくて探したんだけど、残念ながらお会いできなかった。

お白洲の場で遠山桜の入れ墨を披露するおなじみの場面で幕。暴れん坊将軍は新さん=上様であることに気付くのは退治される悪い奴らだけだけど、遠山の金さんは毎回お白洲の場で入れ墨を披露するわけだから、近習たちは「そろそろ出るぞ、遠山桜」って思っていたのかしらねぇ、なんてしょうもないことを考えたりしながら楽しんだ。

休憩を挟み、金さんに救われた芝居小屋の総踊りがひと通り終わったところで「お客様にも感謝」と手拭いが撒かれた。私は2列目のほぼ中央にいて、手拭いはこれまでにもたくさん頂いているからもういいかな、と思っていたのだけれど、ふと真正面の菊五郎さんと目があったように感じた矢先、ひょいと私をめがけて投げてくださったのでダイレクトキャッチ。さよなら公演の特製手拭いだったので、ありがたく頂いて帰った。

写真は、ロビーの階段状に飾られていたお正月恒例の大凧と、久しぶりのおにぎり弁当(おむすび弁当に名前が変わり、値上げされていたけれど、中身は以前と同じ)。

歌舞伎座は客席で食事できるようになったのに、国立劇場はまだNGなので、3階の無料休憩所で食べていたら、近くの席で「歌舞伎座は高いから国立劇場の歌舞伎を楽しみにしていたのに」と話しているのが聞こえた。こういう人たちが国立劇場の閉場後、歌舞伎から離れてしまうと客層がますます狭まってしまうねぇ。

帰宅後、WOWOWオンデマンドで全豪オープン初日の試合を観ながら手織りの続き。グランドスラム初出場の綿貫陽介、初シード獲得の西岡良仁に並び、ダニエル太郎もそろって初戦を突破。素晴らしい!

そのあと録画をいくつか消化し、オードリーのオールナイトニッポンを聴き終えてもまだ手織りが終わらず、そのあとWOWOWに戻ると「ベニスに死す」の終盤で、それに続いてその映画に出演していた美少年の老いた姿を追う「世界で一番美しい少年」を興味深く観た。それも終わり、午前5時を回った頃にようやく最後まで織り終えた。ふぅ~。